三浦一成市川市議(自由民主党)が女子中学生にわいせつを行なったと児童買春容疑で逮捕
逮捕容疑は、1年前の2016年9月8日、市川市堀之内3丁目にある三浦容疑者の自宅で、18歳未満と知りながら、当時中学1年生だった女子生徒に現金3万円を渡してわいせつな行為をしたなどの疑いだ。
警察によると、三浦容疑者は女子生徒と無料対話アプリ「カカオトーク」で買春の約束をしていたとのこと。
女子生徒の行動を不審に思った母親が警視庁に相談して事件が発覚した。
また今年2月には、三浦容疑者宅の捜索で自宅パソコンから18歳未満の少女のわいせつ画像7点も見つかったと報じられている。
三浦容疑者は、帝京大学法律学部を卒業、2015年4月の統一地方選挙で初当選し、現在1期目の市川市議会議員、逮捕当時会派は自由民主党に所属していた。容疑については「覚えていない」と否認しているようだ。
三浦議員が総務委員会副委員長や議会運営委員になったのは逮捕1週間前という事実…
現職の市議会議員逮捕を受けて、さすがに市議会としても対応せざるを得なくなっている。
7月4日に行われた市議会では、当時三浦容疑者の所属していた会派の代表から報告があったようだ。
三浦容疑者は保釈後、会派代表との話し合いを持ち、総務委員会副委員長などの辞任願を提出。
会派代表からは、さらに「議員辞職」の意思も問いただしたが、「裁判があり、その結果をみてから判断させてほしい」と述べ、当面、議員辞職しない意向を繰り返したとされる。
市議会からは三浦容疑者に各派代表者会議に出席して説明責任を果たすようを求めていたが、弁護士から「捜査中であり、出席できない」との連絡が議会事務局に入り、本人は姿を見せなかったようだ。
市川市議会としての三浦容疑者への対応については市川市議会のホームページに掲載されている。
わいせつ事件そのものについては三浦容疑者個人の問題ではあるが、市議会の中での役職については気になる事も多い。
三浦一成容疑者は、各会派から1名が送り出され議会運営についての決定を行う要職である議会運営委員会の委員であるほか、常任委員会の中でも所管事項が幅広い総務委員会では副委員長職にもついていた。
なぜ1期目の彼をこうした要職につけていたのかと考えさせられる。
さらに調べると、三浦容疑者が総務委員会副委員長になったのも議会運営委員会の委員になったのも、逮捕直前の6月19日だという事が分かった。国会の中では大臣の任命責任などが問われる事が多いが、なぜか市議会の中では任命責任については触れられていない。
市川市議会では、議員任期4年間を半分に切って、2年ごとに委員を改選する仕組みを取っている。
2015年5月からの任期のため、ちょうどこの6月議会で委員会の改選が行われたのだ。
副委員長を決めるのは基本的に委員会に所属する委員全員による選挙であり、今回の総務委員会の場合は選挙にもならず委員の全会一致で三浦容疑者が副委員長になったという。
副委員長になったのが19日、逮捕されて事件が発覚したのが26日という事で、他の議員達からすれば「知らなかった」という事かもしれないが、そんな事が通るなら国会における任命責任など全てが「知らなかった」という事になるだろう。
地方議会の実態としては、基本的には市長与党的な立場を取っている会派の中で、任期がそれなりに来たら議長、副議長でさえ順番に役職を回しているというのが実態だ。
しかし本来的な「べき論」で言えば、誰が「この総務委員会を運営する副委員長としてふさわしいのか」で選ぶべきであり、今回のケースで言えば、委員全員が「三浦議員がふさわしい」と選んだという事になる。
任命責任という意味では、この委員全員の責任ということになるだろう。
三浦議員の辞任が認められた後の議員も内々で決められているようだが、こうした役職の決め方自体も考え直す必要があるのではないかと思う。
少なくともわいせつ事件で逮捕されるような人が総務委員会副委員長として市の公式ホームページに掲載されている市の市民である事が恥ずかしくてならない。
議会で解決できなかった政務活動費による切手大量購入換金疑惑議員の処分
今回のわいせつ事件で逮捕の三浦市議は、政務活動費で切手を大量購入した問題を調査する特別委員会(百条委員会)の委員でもあった。
この政務活動費による切手大量購入、換金疑惑が、市川市議会に残るもう一つの大きな課題である。
詳しくは市議会による百条委員会である「政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会」の報告書や議事録を確認してもらいたいと思うが、兵庫県の号泣県議の問題はじめ、その後の富山市議会の政務活動費不正受給による大量辞職など、政務活動費の不正使用については全国で大きな問題になっている中、市川市でも政務活動費で大量の切手を購入し、大量のアンケートを実施したように見せかけ、実際は換金していた議員がいるという疑惑である。
簡単に要点を市議会議議員会派の説明を引用すると、「小泉文人市議らがアンケート調査名目で繰り返し切手を大量購入していた(総計約4万枚、アンケート印刷代と合わせて400万円超)」、「青山博一議員は平成27年11月の証人喚問に際して「アンケートには関わっておらず、一切知らない。回答はがきや報告書も見たことがない」「政務活動費を清算している際、小泉文人議員から『そんな面倒くさいことをする必要はない。切手を買って換金すればいい。みんなやっている』と言われた」とも証言」「小泉文人議員に対しては、「議員辞職するなど、自ら責任の取り方を示す」よう求める問責決議案を、また、不正流用の事実を認めながらもその後約一年間自ら責任の取り方を示さなかった青山博一議員に対しては議員辞職勧告決議案を、いずれも全会一致で可決しました」とされている。
この「政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会」にかかった費用は、直接的な調査経費だけで1,971,634円となっている。
これに委員である議員の報酬や関わった職員の給与などを考えると膨大な税金を投入している事になる。
結局のところ、膨大な労力とコストとさらには時間を使って、議会はほとんど解決できなかったとさえ思わされるような状況だ。
もちろん、議会の中には優秀な議員や志があって頑張っている議員もいるのだろうが、有権者の立場に立って考えると、政治や行政、税金の使い道を正しくチェックできる新たな仕組みや人材が必要なのではないかとさえ思わされる。
<参考資料1 ※市川市議会HPより>
三浦一成議員の逮捕に関する本市議会の対応について去る6月26日、本市議会議員である三浦一成議員が、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で警視庁に逮捕されました。
市民の負託を受けている現職議員が逮捕されるという事態は誠に遺憾であり、市民をはじめ関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。三浦議員逮捕の報を受け、本市議会も毅然とした対応を示すべきとして、6月定例会において、28日に発議第1号「不祥事には毅然と対応し、本市議会の信頼回復に努めることを誓う決議」を、また、30日には発議第15号「三浦一成総務委員会副委員長不信任決議」を、いずれも全会一致で可決いたしました。
また、三浦議員は議会運営委員会、行徳臨海部特別委員会の各委員のほか、総務委員会の副委員長の職にもありましたが、会派の代表を通じて働きかけた結果、7月3日付けで、本人からそれぞれの職の辞任願が提出されました。
なお、口頭で確認しましたところ、現時点では三浦議員本人から議員辞職の意思は示されておりません。三浦議員は6月29日夜に警視庁から釈放されたとのことですが、本市議会といたしましては、今後の捜査や裁判といった事件の推移を見守り、三浦議員本人に説明を求めるなど、引き続きしかるべき対応を行ってまいりますとともに、市民の皆様の信頼回復に努める所存でございます。
平成29年7月4日
市川市議会議長 松井 努
(本事件の主な経緯)
6月26日 三浦一成議員、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で逮捕
27日 各派代表者会議(本事件の対応について協議)
28日 本会議で発議第1号「不祥事には毅然と対応し、本市議会の信頼回復に努めることを誓う決議」を全会一致で可決
29日 三浦議員が警視庁から釈放
30日 本会議で発議第15号「三浦一成総務委員会副委員長不信任決議」を全会一致で可決、6月定例会閉会
7月 4日 各派代表者会議(三浦議員提出(3日付け)の各辞任願の取り扱い)
議会運営委員会委員・行徳臨海部特別委員会委員 議長が辞任許可
総務委員会副委員長 近日中に総務委員会を開催予定
<参考資料2 ※市川市議会会派HPより>
新聞各社による政務活動費切手大量購入換金疑惑問題に関する新聞報道
政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cou01/1111000265.html朝日新聞(2014年12月27日)
『市川市議会に二つの百条委員会』千葉日報(2015年6月18日)
『切手大量購入で百条委 現職2議員政活費問題 市川市議会が決議』千葉日報(2015年10月10日)
『小泉議員が宣誓拒否 市川市議会百条委 購入の切手、使徒尋問』千葉日報(2016年1月16日)
『市川市議会の政務活動費問題 深まる切手換金疑惑』
<参考資料3 ※市川市議会HPより>
政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会(百条委員会)
百条委員会 調査報告書(まとめから一部引用)
「縷々検証を進めた中で示してきたとおり、結局のところ、本調査事項に係るアンケートの実施の有無については、これを断言できるだけの確証を得ることはできなかった。法100条に定める調査権は罰則を伴う強力な権限であるとされているものの、事実の有無を確信をもって論じるには、かかる権限にもやはり限界があったということを痛感している次第である。
実際に、いざ調査がはじまると、小泉氏は、(全会一致で可決された)本委員会の設置そのものに強烈な異議を唱え、さらには、証人尋問で宣誓を拒否する、あるいは、曖昧で説得力に欠ける説明を繰り返すといった、自身がこれまでに主張してきた発言や態度とはおよそかけ離れた言動をとり、本委員会の調査にとても協力的とは思われない様子が多々見受けられたところ でもある。
このように、当初から調査が難航することが予想された中で、本委員会は、 およそ1年2か月にわたり、粘り強く調査を行ってきた。実際に、この調査によって、例えば、前記のとおり、印刷を実際に行った者はクアンではなく 三立工芸であったこと、平成24年10月アンケートはそもそも行われていなかったこと、また、平成24年12月アンケートに青山氏が参加していなかったこと等、調査前には全く分からなかった事実をはじめ、多くの重要な事実が明 らかとなった。
この点については、委員から、さらに調査を継続すべきとする意見が見受けられたところであり、これはもっともなことでもある。
しかしながら、本委員会が設置されてから相当程度の期間が経過していること、また、調査にも限界が見え始めてきたこと等を考慮し、この時点で、最終的な検証を行うとともに、市民に対しその報告を行うことが肝要と判断した次第である。
そして、小泉氏からなされた説明も、委員の疑念を払拭するまでにはついに至らなかったといわざるを得ない。検証の冒頭にも示したように、本委員会は、調査対象者においても、本件アンケートが確実に実施されていたことを説明する場でもあったのであるが、これが積極的になされなかったと認められる点は、本委員会としてもやはり残念なことである。
小泉氏は、当初クアンで印刷を行った旨を述べていたところ、証人尋問では委員から厳しい質問が続いた結果、ついに、実際には三立工芸に印刷を依頼しており、クアンの領収書は体裁を整えるためのものであったと証言を変えるに至った。
このことに加え、8件のアンケートの実施を直接証明するはがきの現物が最後まで示されなかったこと、あるいは、鈴木氏から結局証言を得ることができなかったことも含め、調査対象者の側からアンケートの実施に係る証明が積極的になされなかったことが、ひいては、迅速な調査の進行を阻害し、本調査をここまで長引かせる要因ともなったといえるのである。これらのことに対する小泉氏らの責任は決して軽いものではない。」