40男女の子育てとAmazon

常見 陽平

子育ての真っ最中。もともと、会社員と比べると時間が自由で。もうすぐ夏休みも始まるので、育休はとらなかった。何かこう、育休取得の目的化と言うのは違うと思い。

もっとも、普通の会社員の場合、取った方が良いだろう。産まれた直後には、まあ、色々なことが起こるわけであり。私は、人間リモコンと化しており。ちょっと台所から水やお湯を運んだり、おむつを運んだりと、まあ、雑用のようなことをやっている。いつもどおり料理は私が作っているのだが、これを全部、母ひとりでやると大変だろうなとは思う。

あ、お願いだから、私の前でイクメンという言葉を使わないで欲しい。権力者は美しい言葉で大衆を手なづけようとする。イクメンと言われたところで、仕事の絶対量は減らない。最近、時差ビズなる言葉が生まれたが、このムーブメントだけでは通勤も緩和されないし、なんせ忙しさが是正するわけではないので。イクメンという言葉は、ガス抜きにはなるが、夫婦の忙しさの絶対量を何も解決をしてくれないし、お金を配ってくれるわけでもない。私はそう言われるとひたすら不愉快になるので、やめて欲しい。

もともと、出産・育児系の意識高い系ムーブメントが苦手だ。別に少子化対策のために子供を産むわけではないし、家事もまた労働であることを美しい言葉で払拭しようとしても意味がないと思う。もちろん、待望の娘だし、人生における貴重な時間なので、真摯に向き合う。我が家のアイドルの座からも陥落し。ということは稼ぐのと、家庭に貢献しないと存在意義がないのだが。ますます人生の中途半端感を極めているし、先行きも不透明だが、この子が成人するまではなんとしてでも生き抜くし、世の中に何か爪痕を残そうと思っている。

個人的に戸惑っているのは、あれだけ苦手というか、必要悪だと思っていたAmazonに対する見方が変わっている点だ。急に何かが必要になった時に、たしかに便利。普通に生活している分には、別にコンビニやスーパーに行けばOKだし、急がないのだが。育児の際には、Prime Nowもお急ぎ便も便利だ。

もっとも、このようにシステムに飼いならされてはいけない。Prime Nowを運ぶ人を見るたびに、何かこう切なさをいつも感じてしまうのだが。しかし、これもまた仕事であり、労働だ。

娘がいきいきと働くことができる労働社会をつくるために、このAmazonとの付き合い方も考えつつ、明日もまた生きることにしよう。


本当にミルク代、おむつ代だと思って、最新作をぜひ手にとって頂きたい。父ちゃん、頑張る。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年7月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。