鳩山由紀夫氏が産経新聞のインタビューで二重国籍問題で蓮舫氏を批判した。ときにはいいことをいうものだ。全文はリンクをご覧いただくとして、こんな風に言っている。
安倍晋三政権もそうですが、国民に真実を話さない姿勢が見え見えになると、政策以前の問題として不信感を与えてしまいます。民進党の蓮舫代表も、台湾籍と日本国籍の「二重国籍」問題で最初にウソをついてしまいました。
事実が分かると、ウソを糊塗(こと)し、ウソを繰り返さなければならなくなる。蓮舫氏は二重国籍状態を「知らなかった」とおっしゃっていましたが、政治家になる前の言動(「私は台湾籍」などと語ったインタビュー記事)をみると、どうも正直ではないですね。
蓮舫氏は肩肘を張りすぎているんですよ。野党として政府・与党を批判するだけで生産的なことが見えてこない。そこで力みすぎ、国籍問題はやばいと思ったのでしょう。
実は、蓮舫氏は私が政治家としてスカウトしました。平成15年冬、東京・赤坂でフリージャーナリストだった彼女を見かけ「政治に関心ないですか」と声をかけました。蓮舫氏に注目したのは台湾人と日本人のハーフだからです。民主党が多様性を持った候補を擁立していることを示すことができる。主張の強さなど彼女の魅力もありました。ただ、「二重国籍」問題は全然想定していなかった。
「蓮舫氏は二重国籍状態を『知らなかった』とおっしゃっていましたが、政治家になる前の言動(「私は台湾籍」などと語ったインタビュー記事)をみると、どうも正直ではないですね」といっていることがとくに重要だ。あの鳩山氏すら普通はこう考えるのだ。
「知っていたのかも知れない」のでなく「常識的には知っていたとみるべきで、違うというなら詳細に蓮舫氏が説明すべき」というべきだ。これは非常に大事だ。
鳩山氏は、ほかにもいろいろ言っており、野田幹事長について「当時は消費税増税や原子力…で自民党との違いを強く持っていませんでした」と振り返っていたが、それは違うだろう。消費税増税が野田さんで、慎重なのが自民党だったのだから、違いを強調し続けるとしたらそっちだ。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)や現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をめぐり、安倍首相が条件付きで協力を表明したことに中国側が「ガバナンスの問題に条件をつけられると困る。今まで条件をつけた参加国はない」とも話していたとしているが、鳩山氏は条件つけるなということなのだろうか。
「鳩山政権の最大の失敗は、やはり普天間の移設問題でした。ただ、私がやりたかったことは日本の真の独立です。他国の軍隊から守られている国は独立国とはいえないと思っています。移設先を最終的に国外にしなければ、日本の独立を尊厳を持って主張できないという発想でした」。
この言葉で、普天間移設反対が、アメリカとの軍事同盟解消、あるいは弱体化をねらったものであることがはっきりした。もともと、鳩山さんは徴兵制すら憲法違反でないような発言をしていた人だが、それなら、そこまで踏み込んだ独自の防衛力強化も主張せねばならないし、北朝鮮の核武装という現実の前には日本の核武装も視野に入れねば論理一貫ししない。となると原発反対も論理矛盾だ。
やっぱり日米安保堅持でアメリカの核の傘をあてにしたほうがベターだと私はリベラルな立場からは思う。