Abema TVのお蔭で、国会議員の質疑力や大臣の答弁力がよく見えるようになった
テレビの前に齧りつかなくてもよくなったのだから、大変な進歩だと言っていいだろう。
Abema TVが予算委員会の閉会中審査を中継してくれるから、私たちはスマートフォンで予算委員会の模様を同時に視聴できる。
質疑の全部を見るのは少々骨が折れるが、TVのニュースや新聞で確認するより遥かに迫真性、真実性があって、私たちの思考の整理には役に立ちそうだ。
安倍総理が自ら予算委員会での説明を求めた、という話があったが、大筋において安倍総理の目論見は成功した、と言っていいだろう。
逃げたら疑われますよ、逃げたら損ですよ、と申し上げてきたつもりだが、安倍総理が逃げないで真正面から反論なり説明し、しかも参考人の意見陳述でご自分の主張を証明しようとしている姿勢は評価されていい。
自民党側から質問に立った小野寺氏の質疑が光っていたようである。
徒に他人を誹謗中傷するようなところがなく、ひたすら公正な立場から事の真相を質そうとしている、という雰囲気が漂っていたのがいい。
どこで関係者の間で認識が異なってしまったのか、ということを丁寧に解きほごそうと努めておられたようだ。
声のトーンがいいのか、如何にも穏やかな印象である。
こういう人が官邸の中にいれば安倍内閣の印象を変えることも不可能ではないな、と思うくらいによかった、という印象をとりあえずお伝えしておく。
改造内閣の新閣僚には、こういう人を揃えられることだ。
質疑力が高い人は、普通は答弁力も高いはずである。
自民党の支持率は、そろそろ下げ止まりする頃だが・・・
23日の仙台市長選挙の結果は、多分自民党の選対にとっては想定の範囲内でこれで政権が揺らぐようなことはまったくないだろうが、万一横浜の市長選で自民党や公明党が推薦する現職市長が敗れるようなことになれば激震が走るはずだ。
しかし、自民党の支持率はそろそろ下げ止まりする頃ではないかと思っている。
24日の衆議院予算委員会の集中審議は、やってよかったと思う。
与党も野党もそれぞれに得点できた、と思っているだろうから、如何にも逃げ回っているように見られてしまう印象を少しでも希釈化できたことは、いずれ安倍内閣にとってプラスに働くはずである。
初めから加計アリキだったのではないか、という疑念を完全に払拭することは出来ないだろうが、そこに何らかの不正があったのではないか、というあらぬ疑いを招く虞は殆どなさそうである。
「李下に冠を正さず」という教えをちゃんと守らなければいけませんよ、くらいのことは言えても、手続き自体が著しく間違っている、とか、政治の圧力で不当に行政が歪められた、という印象は残っていない。
まあ、規制改革、岩盤突破にえらく熱心な官僚が力づくで文科省をねじ伏せたなあ、というくらいの印象である。加計学園の代表者が如何にも政商のようだなあ、とは思うが、だからと言って安倍総理や安倍内閣の責任を問うのは無理だろう。
予算員会の集中審議に積極的に立ち向かった安倍総理は、マイナスを増やさないで済んだのだから、結局はプラスだった、ということになる。
明日の参議院の予算員会を無事乗り切れば、後は内閣の改造をどう仕上げるか、である。
何をやっても自民党の退潮傾向は変わらない、今度の内閣改造には何の意味もない、などと言ってきたが、今日の衆議院の予算委員会の集中審議を見て大分印象が変わってきた。
上手にやれば、もう一度自民党に対する支持をある程度回復させる道はある。
思い切って若手を登用することですね
滞貨一掃みたいなことは、考えないことである。
安倍内閣のイメージを一新するような人事を断行すればいい。
この内閣改造が最後の改造だと思って度肝を抜くような人事をやってしまえば、人心は一変する。
自民党にはやっぱり人材が豊富ですね、と国民が評価するようであれば、あっという間に支持率は反転するはずだ。
自民党の中に適当な人材がいなければ、民間から登用すればいい。
身体検査だけは、しっかりやることである。
未知の魅力を秘めた若い人たちを登用すれば、それだけで改造内閣に対する期待度はアップする。
安倍内閣に対して誰も期待していない今だからこそ出来る芸当である。
ありきたりのことをしていたのでは、多分、自民党に対する支持は戻らない。
そこまでやるの、と思わせるくらいのことをやれば、ああ、やっぱり安倍さんは岩盤規制突破の改革派だったんだ、ということになる。
今日の予算員会の集中審議に臨んだくらいの気合を示されることである。
ピンチは、やり方次第ではチャンスに変えることが出来る。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年7月24日の政局記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。