「行政は住民の幸せのために」シンプルな考えから導き出されること

行政は、住民の幸せのためにある。
「住民の幸せ」というと、少し漠然としているが、もう少し掘り下げて考えてみると、

まち:居場所がある
生活インフラがある

ひと:役割がある
チャレンジできる

しごと:可処分所得を増やす
・所得を増やす
・域内で循環する
・支出を減らす

ということではないだろうか。(もちろん、この考えが絶対ではない。敢えてシンプルに考えているので、地域の実情に応じて削り加えてほしいし、比重の違いもあるだろう。)

そして、予算や人材などに制約がある以上、住民の幸せに直結することから取り組むべきだ。

人口減少社会では、生活インフラ(教育、福祉、医療、水道、道路、交通、ICTなど)の維持更新が難しくなる。だからこそ、図中、2)の移住者を受け入れることが重要になる。また、移住者の受け入れは、地域の可処分所得を増やすことにも直結する。

しかし、それでも田舎には変化を嫌う人は少なくない。

その場合は、まずは、今後の人口推計から予測される未来図をそれぞれの分野について(幅があっても)分かりやすく示すべきだろう。

■中学校は、1学年●●人から××人へ。

■医療は、診療所は廃止/診療科目は縮小

■水道は、利用料金が●●円から××円へ。

■バスや船は、1日●●便から××便へ/料金は●●円から××円へ

ちなみに、最先端のまちづくりで有名な神山町も同じようなことから始めている。
⇒ 大南信也さん講演『創造的過疎から考える地域の未来』

その上で、高齢化が著しく進んだ地域では、みんなで緩やかに衰退しよう/自分たちの世代で集落を閉じようと考えることもあり得る。それはそれで、ひょっとするといいのかもしれない。古来、地域の栄枯盛衰があったわけだし、住民たちが望む福祉や医療などに資源を集中できるからだ。

しかし、地域の中には、地域を元気にしたいという人もいるだろう。その人たちの邪魔をする、足を引っ張ることは、もったいない。自分がやらなくても、パチパチと応援することが大事だと思う。

⇒ おっちラボの矢田明子さんが語る「日本で一番チャレンジに優しい町~島根県雲南市から若者の未来を考える~」

(写真提供NPO法人おっちラボ。)

2)移住者を受け入れるという段階から、1)移住者と協働するという段階まで昇華することができたら、住民の役割やチャレンジにも直結するからより望ましい。移住者にとってもありがたいことだろう。人口減少下における地域の最優先事項の一つといえる。

一方で、4)行政主導の(観光者向けの)イベントは、収入を増やすことにつながればまだいいが、赤字のものも少なくない。挙句の果てには、年に1度のイベント向けに宿泊施設などを整備するところもある。そんなものは、早くやめた方がいい

そういうと、イベントで知名度が向上したり、観光客が来るきっかけになると反論されるが、それならばどういう成果が出たのかできる限り検証すべきだし、観光客がまた来る仕掛けをしっかりとつくるべきだ。

もちろん、イベントが全てダメなわけではない。住民の居場所や役割に直結するようなイベント(お祭りの支援など)は、別の観点から検討すべきだろう。

4)一時期のイベントと比べて、3)年間を通じて観光客を受け入れることは、住民の収入を増やすことに直結することが多い。また、交通や道路などの維持にも直結するだろう。

ムリ・ムダ・ムラをなくすことが大切だ。1回のイベントで10,000人集めることは準備や受け入れが大変だが、1日30名来ることは対応しやすいし、何より地域にお金が残りやすい。

⇒ 敢えてイベントはやらない。人が集まる場所を創りたい!敏腕商店街マネージャーが取り組むこと。

結論:行政は住民の幸せに直結することから取り組むべきだし、そうでないことはやめていくべきではないだろうか。

もっと知りたい!
大南信也さん講演『創造的過疎から考える地域の未来』
「日本で一番チャレンジに優しい町~島根県雲南市から若者の未来を考える~」
敢えてイベントはやらない。人が集まる場所を創りたい!


<井上貴至 プロフィール>

<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち
学生・卒業生への熱いメッセージです!

<井上貴至の提言>
杯型社会に、求められること


編集部より:この記事は、愛媛県市町振興課長(総務省から出向)、井上貴至氏のブログ 2017年7月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。