起業は、サラリーマンよりも実は「ローリスク」

昨年、設立した会社の業容が急拡大しているため、新しいオフィスを開設しようと、東京丸の内に視察に出かけました。

山手線の有楽町駅の目の前。抜群のロケーションで、お客様をお迎えするスペースとしては最高です。

こちらは、普通のオフィスビルではなく、インキュベーション機能を持ったシェアオフィスです。立ち上がったばかりの会社が、オフィスをシェアし、ある程度の規模まで成長すると、そこからまた別のオフィスに移転していく。そんなイメージです。私の会社は、本社機能ではなく、お客様相談センターを作り、お客様とのコミュニケーションのインターフェイスにする予定です。

様々な企業が入っていて、一番小さなオフィスだと、机1つから月数万円の家賃で借りることができます。驚いたのは、提供されているオフィススペースの多くが、既に満室となっていたことです。

日本人は、海外諸国に比べ、起業に対して消極的だという統計データを見たことがあります。リスクを取って新しいことにチャレンジするよりも、現状を維持することに価値を見い出す人が多いからだと思います。

ところが、このオフィスで見た光景は、そんな日本人に対するステレオタイプのイメージとは真逆でした。まだ数は少ないかもしれませんが、起業する日本人も確実に増えているのです。

起業のハードルは確かに低くはありません。ここにある企業も、今後大きく成長するケースもあるでしょうが、中には数年後には市場から淘汰されている可能性も否定できません。でも、大規模な設備や、人員を必要としない起業であれば、おカネもヒトも大して必要なく、大切なのはアイディアとそれを実現させる戦略と情熱だけです。

リスクは工夫すれば、自分でミニマイズできます。もしベストを尽くしても結果が出なければ、また次のチャレンジをすればよいのです。

安定した大企業に長年勤務していても、いきなり業績が急低下して、減給やリストラに遭遇するビジネスパーソンもいます。そんな風に会社の看板に頼って、自分の人生の未来を会社任せにすることは、自分で自分の人生をコントロールできず、実はよっぽどリスクが高いと言えるのです。

起業は、サラリーマンよりも実は「ローリスク」ということです。

やる気のある人たちに敗者復活戦が、何回でも残されているような社会になれば、リスクを取ってやってみようと思う人が増えてきます。このようなシェアオフィスによるベンチャー企業のサポートは、その意味で社会的にも意義のあるサービスだと思いました。

私が仲間と手掛けているビジネスも、秋からさらに攻めていきます。その結果は、ブログでまた報告させていただきます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。