「栄養不足=知識不足」、お金がないから不健康は“間違い”

黒坂 岳央

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

ダイヤモンド社の男の健康に興味深い記事がありました!

“世帯所得が600万円以上の男女に比べ、同200万円未満の男女は穀物摂取量(ご飯やパンなど)が多く、野菜や肉類の摂取量が有意に少ないことが判明した。

(中略)

食品を選択する際に重視するポイントを質問したところ、600万円未満の世帯は「おいしさ」「好み」「季節感」「栄養価」への関心が低く、全体に食に無頓着な傾向があった。手っ取り早く「量」で満腹感を得るため、主食やファストフードのみで食事を済ませていると推測される。

引用元:ダイヤモンド 世帯所得で違いがはっきり 不健康な食習慣と飲酒習慣

記事には「世帯所得と健康状態は明らかに相関している」と書いてあります。これはざっくりいうと「裕福な人ほど健康で、そうでない人ほど不健康だった」といっているわけです。この記事を見て「うーん、これだけだと勘違いする人が出てしまいそうだな…」と思いました。

「え?間違いなくデータで出ているんだから黒坂の考えより信用できるでしょ!」といわれてしまいそうですね(笑)。確かにこの結果はデータに基づくものです。ですが「所得が多い=健康、所得が少ない=不健康」という結果を見て、「健康=お金がかかるもの」と思い込んではいけません!

日本人は総じて健康志向

日本人は全体的に「総じて健康志向」です。過去の記事「健康>価格>利便性」日本人の健康志向の高まりは本物だった!」にも書いたのですが食材を買う時、外食をする時に「値段」「手軽さ」を抑えて「健康」を優先する人は首位で全体の44.1%を占めます。

これは所得水準に限らず、20歳から70歳までの男女何2,000人という幅広い調査対象へ行った意識調査によるものなので、「ざっくり日本人の食への志向」として見ていいでしょう。やっぱり日本人は健康志向だということが分かるデータですよね!

ところが冒頭にお話した通り「所得が低いほど不健康だった」というデータが出ていますよね?これを見ると「やっぱりお金がないと健康になれない」と感じてしまいそうですが、私は違うと思います。というのも「健康はお金で買うものではなく、正しい知識で得るものだ」と考えているからです!

お金がないからいい食材を買えない、という誤り

確かに良い食材ほどそれなりに値段がしてしまう事実は否めません。国産の食材の方が、海外産よりも安全性や品質が高く、その分値段が高くつけられていることが多いでしょう。

ですがその価格差は、決定的な違いではないと思うんですよね!例えばニンニクは中国産と国産とで4の値段の開きがあります。しかし、1個100円の中国産ではなく、400円の青森産ニンニクを買うことで家計が傾いてしまうことはありません。また、たとえ海外産でもきちんとしたものを選べば安全性の高い食材はいくらでもあります!

所得が多い層が健康なのは、健康への意識が非常に高く、栄養や食材について正しい知識や情報を持ち「野菜や果物をたくさん食べ、品質や安全性の高い食材を買おう」という気持ちの余裕があるからだと思うわけです。結果的に所得が多い層は健康を維持できると考えています。

反対に所得が低い層は健康への関心はあるものの、栄養や健康についての正しい知識を持っていなかったり、気持ちの余裕がない場合が多いと思います。日々の仕事が過酷だったり、経済的に余裕がなくてもどうしても癒やしを求めるのが人間じゃないですか?そんな時、手っ取り早く幸福感を得るものって「食」だと思うんですよね。あなたはストレス解消に甘いものや、濃厚味、塩っ気のあるものを選んだ事はありませんか?これは刺激の強い食事を通じてストレス解消をしているわけです。

甘いもの、濃厚味、塩っ気のあるものって全部値段は高くないじゃないですか?お菓子を買って食べれば手っ取り早く、簡単に、安く脳の幸福感が手に入るわけですよ。でもポテトチップスをかじり、砂糖たっぷりの菓子パンを食べながら「これ健康に悪いけどやめなきゃなあ」と思っているわけです。しかし健康への害がどのくらいなのか?ということについては理解していないことが多いです。

しかし、これを放置するといけません!味覚を司る「味蕾」は刺激物に晒されるとどんどん感度が落ちていきます。年をとると余計にその劣化は加速していくと言われています。その結果、高血圧や糖尿病といった食事が原因の病気になってしまうわけです。これは健康への意識や正しい知識の問題であって、お金がなくていい食材を買えない、という理由とは全く関係のないことですよね?

お金をかけなくても健康は得られます!

健康的な食生活を送るために、高額な食材を買う必要はまったくない!」と私は思っています。

健康的な食とは至ってシンプル、お金がないと手に入れられないものではありません。健康に必要なものは「正しい知識」だと思いますね!

・野菜や果物をたっぷり食べる。

・出来るだけ味付けは薄く、素材の味を楽しむ。

・バラエティー豊かに色んなものを食べる。

・外食より、自炊を心がける。

・野菜や果物は旬のものを買うことで、安くてたくさん分量を買うことが出来る。

・具沢山の汁物を作れば、毎食たくさん野菜を食べることが出来る。

・タンパク質は肉より国産大豆を使用した豆腐や豆乳、納豆を食べる。

・ご飯は白米ではなく、玄米+麦を混ぜたものを圧力鍋で食べれば栄養も腹持ちもいい。

・魚は圧力鍋で煮込めば骨ごと食べてカルシウムも取れる。

どうでしょうか?めちゃめちゃ簡単かつ別にお金がかからないと思いませんか?本当にちょっとした工夫ですが、かなり違ってきますよ!

私は就職で上京して一人暮らしを始めた時は、ここで書いたような食生活を送っていました。食費は1ヶ月で15,000円程度でしたが、毎日おいしい食事を楽しんで健康そのものでしたね!今は就職したばかりの頃と比べると経済的な余裕が生まれたのですが、基本は昔のままです。野菜と果物をたっぷり、肉より魚や大豆を食べ、お米は基本的に玄米食です。

「お金がないから不健康になってしまう」というのは健康に対して、単に正しい意識と知識が不足しているからであって、経済力うんぬんが問題ではありません。

「健康になりたい!」と心から思うならまずは正しい知識や健康についての情報を得ることです!そうすれば健康食には多額の出費なんていらないことがわかると思います。

お金をかけなくても超健康体な受刑者たち

その証拠に刑務所内の食事を見てみて下さい。一日の食費は511円です。1ヶ月30日食べ続けて15,000円ですよね?じゃあ金額が安いから、受刑者はみんな不健康かというととんでもない話です。太っていた受刑者もスルスルとスリムになり、健康になってシャバに出て来るじゃないですか?一時期、有名になったこの画像を見てください。

TBS「報道特集」より

…やばくないですか?不健康さが1ミリも漂っていないことがわかると思います。「刑務所で臭い飯」というのは完全に誤った都市伝説で、実際は見習うべき、素晴らしい節約健康食を実践しているわけです。一日511円しか食にお金をかけなくても健康でいられることの何よりの証拠です。


黒坂 岳央 フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ブログでも情報発信中。