テレビなどのメディアが注目する7つのキーワード

大内氏は男性テノールとして活躍した経験をもつ。多才な報道記者である。

皆さまは、テレビに出演した経験はあるだろうか。「ブログにも書いたかしいつか目に留まるだろう」と指をくわえていてもテレビに出ることはできない。視聴率低下の影響で、テレビ業界が厳しいと言われているが、テレビのニーズは相変わらず高い。それはテレビのメディア力が評価されているからに他ならない。

今回は、テレビ業界に精通する、大内優(以下、大内氏)の近著『「テレビ活用」7つの成功ルール』を紹介したい。大内氏は大学卒業後、福島テレビに就職し報道記者として活動をしていた。報道記者から見たテレビ局の裏側は興味深い。「テレビに出たい」「取り上げられたい」と思っている人にはヒントになることだろう。

覚えておきたい7つのキーワード

テレビは常にインパクトのある情報を求めている。ハードルが高かったテレビ出演も一定の基準をクリアすれば難しくなくなった。このニーズに目をつけたPR会社などは、スポットなどの番組を営業している。しかもそれなりに高額だ。

だったら、テレビが弱いキーワードを抑えてアプローチしたほうが得策だ。大内氏は「メディアが弱い7つのポイント」として紹介している。このポイントを抑えていれば「これは取り上げたほうがいいぞ」と思わせられるかも知れない。

「まずは○○初(1番目)。世界初、日本初、地方初、都道府県初、業界初といったものです。テレビは『初めて』という単語に弱いので、これがタイトルについているだけで、取り上げられる可能性は大幅にアップします。次ぎに○○発(2番目)。こちらの発は、出発の発ですね。この地域から発信したという意味になります。」(大内氏)

「このエリアのもの、この業界のものを世界に打ち出していくときに使う『発』です。○○年(3番目)ぶりという表現もインパクトがあります。春·夏の高校野球などもそうですよね。『何年ぶり何回目の出場』という表現をします。これはなぜかと言うと、なんらかの復活ストーリーがついてくるからです。」(同)

復活のストーリーとは例えばどのようなものか。

「猛練習に耐えて頑張ってきた、苦労してきたエピソードとつながります。そこにスポットライトを当てることができるので、効果的なんです。『何年連続』も、それだけ高いレベルを維持し続けるには、何か秘訣があるのではないかということで、これもまたテレビで取り上げられる理由になりえます。」(大内氏)

「史上○○(4番目)も効果的です。「史上最年少で○○資格取得」「史上最年長で○○記録達成」みたいなものです。歴史を変えたことを訴求できます。〇〇なのに○○(5番目)という表現があります。数年前に「冷やしシャンプー」が話題になりました。ほかにも「美人過ぎる政治家」などにも同じような効果があります。」(同)

先週、アゴラにエントリーした「元トップCAに聞く!『3流』すぎる人の振る舞いとは」はこれに該当する。かなりアクセスを伸ばしたが「3流すぎる」というキーワードに関心が集まったのだろう。しかも、このケースで紹介した事例は取材したCA自身の失敗事例だから、むしろ記事の内容を好感するコメントが多かった。

「テレビであればスクープ(6番目)も鉄板ネタです。そこで、『他ではまだ公開していないのですが』というものがあれば有利です。他には、地元出身者の人物(7番目)もあります。地元出身者とか、ゆかりのある人物と何かをする、ゆかりのある人物は、地方のマスコミ、テレビの興味を引きやすいと思います。」(大内氏)

やはりテレビは観るより出るべきだ

他にも抑えておきたい要素があるが、次に紹介するのは今後、抑えておきたい視点である。前述のポイントを抑えた上で意識してもらえれば幸いである。

「これからは、2020年の東京オリンピックに向けて、海外からの訪問客が増えてくることが予想されます。より、社会性や公共性があるものは注目されやすくなります。インバウンドで日本を訪れる外国人が観ておくべき匠の技(伝統工芸・表彰)などもいいと思います。外国人が日本の伝統技術を体験することで話題になります。」(大内氏)

「縁の下のカ持ちではありませんが、普段は注目されない裏方にスポットライトを当てるのが日本人は大好きです。行政や地域と組んで社会貢献につながるような活動につながると、ニュースにしやすくなると思います。」(同)

私も出版が起因となり、テレビやラジオから声がかかり出演をしたことがある。メディアに出ると世の中に発信したいことや、問いたいことが明確になっていく。やはり、テレビは観るのではなく「出た」ほうがいい。なお、著者の大内氏は男性テノールとして活躍した経験をもつ。参考までCDジャケットより画像を引用した。

参考書籍
「テレビ活用」7つの成功ルール』(DOBOOKS)

なお、新刊『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』は、「007ジェームズ・ボンド」が社内の理不尽に立ち向かう想定で書き起こしたマネジメント本になる。社内の理不尽に対してどのように立ち向かい対応するのか、映画シーンなどを引用しながら解説した。

尾藤克之
コラムニスト

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