本格的にVALUをはじめて半月ほどになりますが、なんとなくわかってきました。
現状このサービス内には
①夢語り系
「VALUを通じて色んな人たちと出会いたい、『挑戦』を応援したい!そして、自分も挑戦する!」
と
②金目当て系
「VAたくさん売れたらいいなあ。それと有名人のVA(VALU参加者自身の株式のようなもの)を安く買って高く売りたい」がはっきりと存在しています。
サービスの本来の趣旨に沿ったユーザーは①なのですが、①の中にもそこそこ②寄りの「隠れ金目当て層」が少なくないのかなあと思ってます。
「挑戦者を応援する」プラットフォームというだけなら寄付サイトでいいわけですが、VAを売り買いする取引所機能まで備わっている以上、「金目当て層」が発生するのはやむを得ないでしょう。
とはいえ、公然と「金目当てです!」と言い切るのは憚られるのか(日本的で良いですね)、私も知人の紹介でVALUユーザーが日々情報交換をする200人規模のLINEグループに入れていただいたのですが、そこでのやり取りはほぼほぼお金とは程遠い内容です。
「自分はスポーツで頂点を目指しています!」「和食を世界に広めたい!」「歴史の魅力を伝えたい!」
一人一人が熱く夢を語り、雰囲気的には異業種交流会」か「朝活」「ワークショップ」のノリです。
VALUにはアクティビティ(SNSのような記事投稿や取引)が盛んなユーザーを「ピックアップ」して紹介するページもあるのですが、ここで紹介されているユーザーさん達も「夢語り系」が多い印象です。
このように前面に出ているのが①なので体感的には①:②は8:2か7:3くらいにも感じています。
驚くべきは寄付文化に乏しいと言われる日本でも、これほどまで他人の「挑戦」に関心のある人たちがいるものか…というところで、仮にそうであるならば、VALUというサービスを経ずとも、ビットコインによる投げ銭の機会も用意すれば案外広がっていくんじゃないかなあという気もします。
例えばテレビ局が夕方のニュースでオリンピック出場を目指すアスリートを紹介するVTRで選手の顔写真の下にQRコードを貼ってそこからビットコイン送金で寄付ができるようになったり…。
ストリートミュージシャンが街頭で演奏してるとき、QRコードのついたでっかい立て看板が置いていたり…。
やるだけならタダなのでやったらいいと思います。
みんなでやったらそれを1つの減少としてメディアが取り上げ、世相は大きく動くのではないでしょうか。
純然たる寄付のプラットフォームだと言ってる一方で(金融商品ではないにもかかわらず)取引所機能があるというVALUの矛盾点が叩かれるなら、①の人たちなんかは「直接寄付する機会をつくろうぜ」って現状ならないのがいささか不思議ではあります。
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とはいえ、半月VALUやってみた感想は「面白い!これはこれでいい!」の一言です。(二言か…)
例の有名Youtuberによるインサイダー疑惑でVALU運営側はきわめて厳しい対応を決めました(以下画像参照)
Youtuberをマネジメントしている会社側に損失補てんや対応方針を明示させることを内容証明郵便で求めたとのことです。
①夢語り系を守る!守り切る!という運営側の力強いアッピールでもありますね。
それはそれでいいと思うのですが、アゴラ編集長の新田さんもおっしゃるように↓
「VALUは読売社会部が叩き始めたら規制強化のサイン — 新田 哲史」
このサービスを持続させるなら、運営側は今回問題となったYoutuberにだけ目を向けるのではなく当局やメディアをそれ以上に意識した方がいいです、絶対に。
VALUはサービスを始めるにあたって運営トップが何度も役所に連絡し、サービスの合法性を確認し、言質を取ったというのをメディアインタビューでも語っています。
しかし、役所というのは前例のないもの、既存の法律が良いとも悪いとも記してないものについては「それはやるな」とは言えない立場ですからね。
「やるな」と言ってるだけで、積極的に「やれ」と言っているわけではないことをあらためて認識した方が良いと思います。
世論の風向き次第では後に規制がつくられ、遡及的につぶされる可能性は全然あります。
私の周りの経営者でも、農業や交通関係で関連省庁に確認を取って数千万円かけた新規事業をスタートした直後、業界団体からの申し入れで「すいません、やっぱりやめてください…」となった例があります。
そうなった時、役所に「いやあなたたち、やる前に大丈夫って言ったじゃん!」は通用しません。
じゃあどうするか。
役所とこれ以上話しててもらちが明かないので、(本当はもっと初期にやるべきですが)さらにその上の議員を押さえに行くべきでしょうね。
麻生太郎財務・金融担当大臣も8月15日の記者会見で「(VALUについては)消費者保護と新しいものを育てることの両方を考える必要がある」と寛大な発言をしてくれているところなので、議員へのロビーイングを総力挙げてやった方が良いと思われます。
<プロフィール>水谷翔太
NHK記者を経て橋下徹大阪市長が実施した公募試験に合格し、天王寺区長(当時27歳)に就任。
現在は大阪でPR支援の企業とインド、ドバイ等海外進出支援の企業を経営。
VALUアカウント:https://valu.is/shotamizutani