「東大卒の使えない人」になってはいけない

日本経済新聞の報道によれば、イギリスの教育専門誌THE(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)が毎年発表している世界大学ランキングで、日本の「最高学府」東京大学のランキングが昨年の39位から46位となりました。これは、過去最低のランキングということです(図表も同紙から)。

全体の1000の大学の中に、日本の大学は71校含まれていますが、ベスト100に入っているのは、東大と74位の京都大だけ。このランキングが、必ずしも正しいとは思いませんが、世界的には日本の大学を卒業することの価値は年々低下していることは明らかです。

以前、「東大よりもハーバード - 開成高校で始まった「大リーグ志向」の大学受験」というブログで紹介したように、日本の優秀な学生は既に日本の大学に見切りをつけ始めています。

研究者のようなアカデミックな世界はともかく、ビジネスをする上では、日本の学歴というのは必ずしも必要なものではなくなってきました。むしろ、有名大学を卒業し、それなりの企業に就職したものの、その後仕事で大した成果を上げることなくビジネスパーソンとしての役目を終えてしまっている人も多いのです。

高学歴で大企業に入ったものの、努力を怠っている人は、成長していない割にプライドだけが高く、できない言い訳ばかりしている人になりがちです。いわゆる「東大卒の使えない人」になってしまうのです。

逆に、学歴が無くても、社会人になってから懸命に努力をし、リスクを取ってビジネスチャンスを掴み、大きな成功を収めてきた人はたくさんいます。単に収入が多いというだけではなく、社会に影響を与える仕事を通じ、周囲から尊敬を集めている人たちです。

そんな「高学歴・ローリターン」な人と「低学歴・ハイリターン」な人の違いはどこにあるのでしょうか。

それは、不断に努力を続ける向上心と、チャンスにリスクを取ることを躊躇しないチャレンジスピリットにあると思います。学歴が高い人の方が、既得権益があると思い込んでいるせいか、慢心して努力を怠ったり、リスクに対して臆病だったりする傾向があるのです。

「東大卒」というブランドは、これからも日本国内ではそれなりの価値を持つとは思いますが、逆にその呪縛によって残念な人生になってしまう人も少なくありません。学歴とは二十歳前後の時の評価の尺度の1つに過ぎず、それ以降の人生の過ごし方の方が、その人の人生に圧倒的に影響するのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年9月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。