山尾氏の辞職回避は、4補選にしないための政治的配慮か

個人的にはすんなり辞任が良かったんじゃないかな、と思わないでもない。

しかし、今辞任すると10月22日の衆議院補欠選挙の選挙区の仲間入りをしてしまうことが必至なので、それぞれに辞任だけは思いとどまるように根回しをされた人がおられるのではなかろうか。

一人は、元自民党の豊田さん。
もう一人が、今日民進党が本人の離党届を受理した山尾さん。

豊田さんの自民党離党も山尾さんの民進党離党も自業自得で、弁明の余地はないと思うのだが、直ちに辞任ということになると公設秘書の身分を失う人や路頭に迷う人が出てくるので、ある程度身の回りを整理する時間を作るためにとりあえず離党で留めた、というのは悪い判断ではないのかも知れない。

山尾さんの離党を認めるべきではなかった、などという意見も民進党の中から上がったようだが、昨日の山尾さんのあの尻切れトンボのような記者会見でマスコミの皆さんが追及の手を緩めるとは思えなかったので、民進党が余計な火の粉を浴びないためには山尾さんの離党届を速やかに受理したのは、多分賢明な判断だったと思う。

少なくともこの土曜、日曜のテレビでは、山尾問題はそう大きく取り上げられないはずだ。
明日9月9日の世間の関心は、北朝鮮に向くはずである。

民進党の命運を左右するような幹事長の不倫問題なら相変わらず大きく取り上げられるだろうが、元民進党の一女性議員の個人的な問題だということになってしまえば、ニュースバリューは殆どない。

なるほで、こういうメディア対策もありかな、と思っているところである。

とにかく、民進党は最小限のマイナスで留めることが出来たようだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年9月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。