ネットもマスコミも解散ニュースで持ち切りだった敬老の日。
TVで流れるコメンテーターのコメントをBGMのように聞きながら、松嶋啓介シェフに教えてもらった“ratatouille”を初めてつくりました。
「そこらへんにあるラタトゥイユはただのラタトゥイユ味でしかなく、ぼやけてしまっている。本当においしいラタトゥイユは、トマトの味も分かるし、パプリカの味も分かるし、茄子の味も分かるし、ズッキーニの味も分かる。ラタトゥイユという「理念」のもとに野菜たちが集まって作り上げるのが、本物のラタトゥイユなんです』
つくっている最中、シェフのこの印象的な言葉が何度も頭をよぎりました。
経営も政治も同じです。
特に政治家や政党には「理念」がなくてはならず、それを大義として高々と掲げて闘うのが選挙です。
今回、一部消費税の使途変更という急ごしらえの争点で解散ということになれば、今まで以上に理由の後付け感が否めない、政権延命の為だけの総選挙と見られてしまうでしょう。
安倍総理の理念は改憲にあったはずです。
であれば、現段階で得られている三分の二の議席を失う覚悟で選挙に挑むわけですから、その方向性を最大の争点として闘うべきではないでしょうか。
この国のトップとして、長期に渡ってこの国を舵取ってきた矜持を持って、真正面からぶつかっていってもらいたい。
そうすれば、仮に今回は敗北を喫したとしても、その理念は次の世代に引き継がれていくはずです。
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、前参議院議員の松田公太氏のオフィシャルブログ 2017年9月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。