豊田真由子氏については、6月24日に『「モンスター議員」豊田真由子はこうして生まれた』というのを書いた。いま読み返してもだいたい正しかったと思うが、月曜日にフジテレビの『バイキング』でこの問題について論じたので、そこで説明した事に加筆して紹介する。
豊田氏は、フジテレビ系「Mr.サンデー」で宮根誠司氏のインタビューにこたえ、ついで18日に記者会見も行った。
『バイキング』も含めてテレビでの評判は散々なのだが、ネットでは必ずしもそうでない。私は、なかなかよく練られた露出作戦だと思う。
宮根インタビューについて、バイキングの出演者は、ひたすら謝るべきであったのに良くなかったというようなことをいう人がいたが、私は、それは芸能人と混同しているのだと思う。
豊田氏が宮根インタビューで狙ったのは、30%程度の自分の味方から一定の理解を得る事だと思う。これから戦うためには、まず、30%でいいから味方を確保するべきである。そのうえで、徐々に増やせばいいのである。
そこで、髪の毛もショートにして、黒い服を着て、あまり能弁でなく落ち着いた声で、眉毛もつり上がったおなじみの形でなく細く平べったくしていた。
そして、自分が悪いと言いつつ、元政策秘書もひどいし、豊田氏が怒るのも当然という印象を与えようとしたし、それは成功したと思う。
怒るのは当然としても、殴るのは無茶苦茶で許せないが、どついたけなのか、本格的な暴行だったのかは、藪の中だから、「真相は分からない」と印象を支持者に与えたら十分だしそれも成功している。
そもそも、この話は、豊田氏が人使いが荒く、一方で、秘書もいかにも無能だ。しかし、それはまさに卵と鶏なのだ。政策秘書は資格が必要なので人材不足だ。そうしたなかで、豊田事務所はブラックだと評判になっているから良い秘書が来るはずがない。だから、非常に優秀な秘書など来るはずがない。だから、また、豊田氏はいらついたはずだ。
豊田氏は、有名女子高、東大法学部、厚生労働省、ハーバード、国際機関などと優秀な人ばかりに囲まれてきた。
とくに霞ヶ関では、上司が朝になって突然、予定や仕事の方向を変えるなんて日常茶飯事だし、そんなひどいこととも思われてないし、部下もそれを受け止めて仕事をきちんとする。
だから、民間企業にせよ政界にせよ転身すると、官僚出身者は細かい、急に無茶言うとかいわれるのである。そのなかで、丸くなるか、優秀な部下を集める力を持つか、矛盾を解決できずに漂流するかはいろいろで、豊田氏は三つ目のケースだ。
地元の会合をするとかしないとか、二転三転したようだが、これは予定の行動のように思う。
テレビか地元かどっちが先という議論はあるが、先に地元にすると過度に混乱を地元に持ち込むし、現場に多人数のマスコミを入れるのも難しい。
そこで、テレビ、それも、上手に(過度に甘くも辛くもないという意味)運んでくれそうな宮根氏を選んで、インタビューを受ける。当然、テレビより地元が先なのに俺は行かないとかいう支援者もいるし、いや、それでも話をしたいというのもいる。そこで、行ったり来たりしてガス抜きをしたのだと思う。
今後、彼女がどうするかだが、最終的には出馬しないと思う。特に、選挙が早いので無理だ。
自民党の場合、派閥の先輩などがアドバイスしているはずだ。出るようなことをいって、それをやっぱり、自民党に迷惑を掛けられないといって辞退するシナリオではないか。
だいたい、豊田氏に資金があるとも思えない。また、ご主人が霞ヶ関のそれなりの重要ポストにいる。そういうなかで立候補強行は難しいのではないか。
衆議院が解散になってから、辞退会見という手もあるが、将来も考えれば、解散前に議員辞職する方が良い。それなら、山尾志桜里と違ってけじめをつけたと言われて自民党には有利に成って“貸し”もできるのではないか。
それでは、彼女に将来の復帰の可能性はあるのか?
私のお勧めは、3~5年間くらいかけて、弁護士にでもなれば、政官界に顔は利くし、国際問題にも強いし、活躍できると思う。ワイドショーやバラエティでも使えるかも知れない。
そうしたうえで、生まれ変わったところ見せた上でならチャンスはあるかもしれない。