NPO法人のような非営利組織の収入を考える際には、事業収入/補助・助成/寄付・会費って感じでわりと3つに区分されて議論をされることが多いように思います。
一般的に事業型NPO、と呼ばれる時には、このうち「事業収入」の占める割合が高いものをさすことが多いかと。そんな中、復興王子の異名を持つ藤沢烈さん(RCF代表の)のブログでこんな記事がありました。
(あ、NPO法人に必ずしも限定するわけではありませんが、この記事では便宜的にNPO、って表記しますね。)
一般に、「事業型NPO」とは「事業収入型NPO」のことを指します。たとえば中小企業基盤機構による調査(※)では、NPOを次の3つに類型しています。
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○慈善型 NPO:寄付や会費収入を基にボランティアをベースに活動を行う団体
○事業型 NPO:有料・有償で社会的サービス・商品の提供、情報分析・提供、コンサルティ ングといった活動を行う団体
○監視・批判型 NPO:企業・政府・国際機関等の活動を監視・批判したり、政策提言活動を行う 団体
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しかし、かものはしプロジェクトは年間8千万の寄付を財源に、組織をつくって社会的成果をあげています。こども宅食事業は、ふるさと納税を財源に、事業を開始しようとしています。上の定義に当てはまれば「慈善型NPO」に当てはまるわけですが、いずれも専門的に事業を推進しています。
このように、現状を整理しつつ、以下のように問題提起をされています。
整理すると、事業収入をとわず、社会的成果を採算を合わせて組織的に上げつづけている団体が、事業型NPOなのだと思うのです。逆に事業収入にこだわった結果、社会的成果を十分あげていないならば、それは単なるビジネスではないでしょうか。
ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)の大西代表は、『PWJは寄付が基盤だから融資しないという銀行がある。だけど、うちの寄付の継続率は95%だ。一般のビジネスで95%継続する商品はあるだろうか。むしろ寄付があるからこそ、事業性が高いのだ』と言っていました。この話から、事業型NPOを再定義する必要があると確信するようになりました。
これは、僕も全面的に同意します。
そもそも、会員制ビジネス、だととらえてみればどうでしょう。
例えばコナミやコパンみたいなスポーツクラブや、ミュージシャンのファンクラブ、そしてお寺の檀家制度。それぞれ、会費を支払い、それにたいして求める見返りをもらう。それが、スポーツクラブであれば会場使用権だし、ファンクラブであれば情報を得られるということであり、檀家であれば何かあったときに相談できたりお経を上げてもらえる…的な。
同じように、NPOの会員というのも会費の見返りとして「満足感」とか「社会の役に立った感」とか、あるいは「同じようなことを感じている人と繋がれる」とか・・・っていう便益を提供している、と考えてみてはどうでしょう。
実際に、多額の寄付・会費を集めているNPOなどは会員獲得戦略も着分けてビジネス的です。ターゲットを絞込み、マーケティング戦略を描き、時には会員獲得にために広告も出稿すしているわけです。広告でコストを投入しても、最終的に得られる会費のほうが大きければ事業的にOKですものね。
NPOの賛助会員=寄付的なもの…と一面的に捉えると、思考が停止しまいガチ。しかし、広く会員制ビジネスと捉えれば、異業種・異分野の取組を参考にしながら事業展開を図ることができるはず。
寄付や会費を戦略的に、かつビジネス的な視点で捉え取り組んでいるNPOは、旧来型の慈善・寄付型と分類するよりも、事業型と分類して捉える必要があると思います。
秋元祥治
NPO法人G-net理事(創業者)・OKa-Bizセンター長
ではでは。
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※本ブログの内容は私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。
編集部より:この記事は、秋元祥治氏のブログ 2017年9月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「秋元祥治(岐阜・G-net・OKa-Biz)の活動日記」をご覧ください。