立憲民主がそこそこ健闘しそうだ。10~20議席がやっとかと思われたのが、30議席、さらには、それ以上が見込まれるのが瞬間風速だ。都内に限れば、希望と肩を並べているという数字も出る始末。できたてなので、ネガティブ・キャンペーンの洗礼を受けていないし、朝日新聞などの好意的報道に助けられてもいる。
しかし、この党は、「一見民主」ともいわれるように錯覚に頼って人気を得ている。実態はなにかといえば、希望からはじかれた候補者が主体だが、なかには、東京や大阪で希望や維新との競合ではじかれた気の毒な良質の議員もわずかにいるが、多くは、筋金入りの極左が主体でそれが中核を成している。特に民主党政権の失敗を反省する必要がないというような人が多い。それに、さまざまな理由で希望が受け入れなかった人たちが思想とは関係なく集まった。
ただし、骨があるのは、無所属で出ているので、寄らば大樹の陰に過ぎない。排除されて気の毒だからという判官ひいきに救われているが、筋を通して気持ちが良いというのは、無所属の人たちにはいえることで、立憲民主に当てはまらないだろう。そこが錯覚で人気を得ているという所以だ。
この党は自民党にはあまり脅威にならない。上記のような理由で投票するのは、もともと自民党に投票しない人たちだからだ。むしろ、小選挙区では、彼らの存在は共倒れの原因になって有利ですらある。
直撃されているのは、希望であり、共産や社民だ。とくに共産は希望の創立と民進の不在でかなり民進票や無党派をつかむと見られていたので、痛手だ。JX通信社の調査では、前の週末から、10月8~9日では、都内で自民はほとんど影響を受けず29%ほどだが、立憲民主が18%獲得したのに対して、希望は29%が18%に、共産も10%が7%に落ちているという。支持層の30%が逃げたというから大変だ。
ここでの数字には出ていないが、全国的には社民も大打撃だ。一緒になるというならまだしも、消えてしまってはみじめだ。
私は社民党のような存在があることは良いことだと思っている。共産党のように、西欧民主主義の原則をきちんと受け入れていない党は世界中消えるべき運命だ。しかし、批判勢力として、西欧民主主義の枠内の左派政党はあったほうがよいと思うからだ。
民進党が分裂して、むかしの社会党系を中心に社民と合流するというなら、それはいいことだと思うが、現在の立憲民主党は、選挙互助会に過ぎないから、社民党がそれで消えるというのもどうかと思う。
希望に入れなかった民進党候補者が集まって党をつくるのは自然なことだが、それが余り大きな勢力になるもの我が国の政治構造をいびつにする可能性がある気もする。
もちろん、枝野氏が改憲論者だというのも意外にしられていないところだ。
(赤旗)民主・枝野氏が「改憲私案」/集団的自衛権行使・多国籍軍参加容認