バナナの白い筋をまずくても捨てずに食べるべき理由

黒坂 岳央

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

あなたはバナナを食べていますか?若者のフルーツ離れ、なんて言われていますが「バナナだけは食べているよ!」という人もいるのではないですか?バナナは年中スーパーにおいていて価格が安く、手で皮をむいて食べられ、それでいて栄養満点で甘くて美味しいという「早い・安い・うまい」のフルーツの一つです。私も毎日食べています!

そんなバナナですが、皮を剥いた時に白い筋がついています。「ああ、あるある。あの食べると苦くて美味しくないやつね!」と思ったあなた!バナナの白い筋は栄養満点とのことで、健康を考えるなら食べるのもいいかもしれません。事実、「バナナの白い筋は苦いけれども、栄養満点だからぜひ食べましょう!」と書いてあるサイトを結構見かけます。でもどのサイトも全然具体的にどのくらい栄養満点なのかが書いていませんので、気合を入れて調べてみました。

バナナの白い筋は栄養を運ぶ「血管」

そもそもバナナについているあの白い筋は何者!?と思われている方のために紹介しておきましょう。

バナナの白い筋はバナナ本体にまんべんなく栄養を運ぶ管です。つまり、人間で言う「血管」にあたります。なるほど、確かに言われてみれば細くて長い筋は血管のように見えます。その血管にとっても栄養が詰まっていますよ!という話が出回っていて、その真偽を考えてみたいというのが今回の記事の趣旨です。

白い筋にはカリウム・抗酸化成分が豊富?

「バナナ 白い筋」と検索すると色んなサイトが出てきます。

“バナナの皮をむくと、皮と実の間に「白い筋」があります。実はこの白い筋には抗酸化成分が多く含まれています。(バナナの抗酸化力は、食品の中でもトップクラスだそうです)皮に黒い斑点が出てくると、さらに抗酸化力がアップします。白いすじを今まで捨てていた人は、バナナの実と一緒に摂るようにしてみてください。(筋だけ食べると、とても苦いです)

引用元:OK WAVE guide 「栄養満点!バナナの働きと白い筋の秘密」

このように書かれており、抗酸化成分が豊富!とか、カリウムがガッツリ入っています!!と書いてあります。でもやっぱりどのくらい含まれているのか?ということが書いていません。

文部科学省の食品成分データベースによると、バナナのカリウム含有量は360mgとあり、これはフルーツ全体の中でトップ3に入る数値です。そう、バナナはカリウム含有量トップレベルの高さを誇っています!

また、バナナ大学のサイトによると、「バナナは抗酸化成分がとても豊富」とあります。

“バナナにはβ-カロテンをはじめ、ビタミンA、ケルセチン、β‐クリプトキサンチン、ミリセチン、ビタミンC、リコペン、ビタミンE、ポリフェノール類など、体内の過剰な活性酸素の害を抑える抗酸化成分が含まれています。

バナナ大学:活性酸素を抑えるバナナの抗酸化力

はいはい、バナナは間違いなく栄養豊富なフルーツのようですね。ですが、肝心なのはその栄養が「どこに含まれているのか?」ということです。例えば栄養の99%がバナナ本体に含まれ、あの苦くて白い筋にはわずか1%しか入っていない、とこういう話であれば別に食べる必要が無いと思っている私がいます。「いやいや、あの白い筋だけでバナナ本体の3倍の栄養素があるんだぜ」とか具体的にどのくらい栄養満点かが分かれば、苦さを我慢して食べようと思いますよね?

白い筋の繊維はバナナ本体を上回る含有量

国内のサイトにはこれ以上の情報が見つかりませんでしたが、海外サイトにいいのがありました!イギリスの新聞サイトMail Onlineの記事によると、次のようなことが書いてあります。

The irritating strands you find on bananas are called phloem bundles

(バナナの白い筋はphloem bundlesという名称)

They transport nutrients around the fruit and help bananas to grow

(果実に栄養を行き渡らせ、バナナの成長を促進する)

The fibrous strings are completely edible and are just as good for you as the fruit

(白い筋は間違いなく可食で、とても栄養豊富だ)

引用元:Revealed: What those irritating ‘strings’ on bananas are REALLY for (and they actually have a VERY important use)

記事のコメントをしているのはNicholas D. Gillittさん。栄養の研究者であり、アメリカの食品会社ドールでディレクターを務める方です。いわば、フルーツの栄養博士というべき人です。そんなフルーツ博士は次のようにいっています。

The phloem bundles are completely edible and are just as nutritionally rich as the main part of the fruit, according to Dr Gillitt. In fact, the strands probably contain a lot more fibre than the rest of the fruit, he says.

(バナナの白い筋は食べることができ、バナナ本体と同じくらい栄養豊富です。事実、白い筋はバナナ本体を上回る繊維を含んでいます)

便秘解消や美肌効果を得るために食物繊維の豊富なバナナをせっせと食べている人は多いと思います。実は、バナナの白い筋はバナナ本体以上の含有量だということで、ダイエットに挑戦中の人にとっては白い筋は食べない選択肢はありませんね!また、博士は具体的にどの栄養素がどのくらい含まれているのか?ということには言及しませんでしたが、「just as nutritionally rich as the main part of the fruit(バナナ本体と同じくらい栄養豊富だ)」といっているので、白い筋は苦くても食べる価値のあるもののようです。

今回、バナナの白い筋について、自分が調べて分かったのはここまででした。具体的な数字を拾うことは出来ませんでしたが、国内外問わず色んなサイトで「バナナの白い筋は栄養豊富!」とあるので、信じて良さそうです。私もこれまで捨てていたバナナの白い筋をガッツリ食べようと思います!

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。