三方面に敵を作った小池、若狭選挙戦略の失敗

希望の党ツイッターより:編集部

若狭さんが小選挙区のみならず比例区での敗れたのは、やはり選挙戦略を間違えたからだろうと思っている。

小池さんは、一方面だけの敵を相手にしている時は圧倒的に強いが、前後左右、足元にも敵がいる状況の中では、いくら獅子奮迅の働きをしても活路を見い出すことは難しかった。

味方に引き入れることが出来たかも知れない人たちをみんな敵に回してしまったような感じになってしまったのが、やはり今回の選挙の最大の敗因なんだろうと思っている。

自民党の候補者だけを相手にしての選挙ならここまで無惨な結果には終わらなかったと思うが、小池さんや若狭さんは、結果的に三方面に敵を作ってしまった。

一つ目は、自民党。
私から見ても、お、この候補者はなかなか良さそうだぞ、と思うような候補者を若狭さんにぶつけてきた。
まさに自民党の総力を挙げての選挙戦のような感じになってしまった。
自民党があそこまで力を入れなければ、若狭さんも何とか生き残れたかも知れないのだが、自民党の選対にはいささかも緩みがなかったようだ。

二つ目は、公明党。
心情的に小池さんに同情的で、場合によっては小池さんが応援する候補者に一部加勢してくれるかも知れないと予想されていた公明党の支持者の皆さんを、小池さんの不用意な発言で自民党の候補者の支援にどんどん送り出すようなことをしてしまった。

首班指名選挙に公明党の山口代表の名前を出すのが、如何にも軽く、透徹でしかも軽はずみのような印象を与えてしまったのが、どうにもいけなかった。

自公選挙協力体制の強化を考えていた自民党選対に好の材料を与えてしまったようだ。
あそこまで公明党が動かなかったら、若狭さんも何とかなっただろうに、と思わないでもない。

若狭さんの敗北の直接の引き金を引いたのは、言わずもがな、あの立憲民主党である。
立憲民主党から候補者が出なければ、自民党に対して批判的な有権者は若狭さんに投票したと思うが、自民党批判票の相当部分を立憲民主党の候補者が吸い取ってしまったと見るべきだろう。

さすがの小池さんも、自民党、公明党、立憲民主党という3党を相手にしての選挙に勝ち抜くことは難しい。

多分、共産党は、立憲民主党の候補者を全面的に支援したはずである。

いやあ、これでは選挙にならなかったのも無理はないなあ、と改めて思っているところである。

敵を三方面に作らない方がいいことは、間違いない。

小池さんも若狭さんも最後の最後までよく頑張ったと思うが、やはり選挙に臨む態勢に無理があったのだろう。
都民ファーストの議員団から音喜多さんが抜けてしまい、希望の党や小池さんに対して批判的なメッセージを発信し始めたのも結構小池さんや若狭さんには痛かったはずである。

勝ちに不思議あり、負けに不思議なしと言うそうだ。

小池さんや若狭さんは三方の一角でも崩しておけばよかったのに、と悔やんでいるところである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年10月24日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。