「収入格差」から「運用格差」の変化についていけない日本人

内藤 忍

マサチューセッツ工科大学のデービッド・オーター教授が書いた「労働分配率の低下とスーパースター企業の興隆」が日本経済新聞電子版で紹介されています。技術革新が、労働分配率の低下をもたらし、労働者から資本家に富の移転が起こっている原因になっているという内容です。

記事の中では、先進国で労働分配率が低下傾向にあり、経済成長よりも資産の拡大のスピードの方が速いという現実が、ビジュアル化されています(図表も同紙から)。労働者に富が配分されず、株式のような資本を所有する人が豊かになっている構図です。

しかしこれは、別の見方をすれば、自分で働いてお金を稼ぐよりも、お金に働いてもらう方が豊かになれることを示唆しています。収入による格差よりも、運用による格差が広がる時代に変わっているということです。

であれば、そんな現状を批判したり嘆いたりするのではなく、自分も労働者から投資家に変わっていけば良いだけのことです。お金を自分で稼ぐライフスタイルから、お金がお金を稼いでくれるライフタイルへの転換です。

そのためには、仕事のスキルよりも資産運用のスキル、つまりマネーリテラシーを身に着ける必要があります。しかし、残念ながらお金の勉強は学校では教えてくれません。学者や学校の先生は資産運用の経験の無い人がほとんどだからです。また、セミナーや書籍で勉強しようと思っても、誤った知識を教える「お金の専門家」も多いのです。

資産デザイン研究所では、講師の実体験に基づく「お金に稼いでもらう方法」をセミナーで教えています。こんな内容です。

日本ではこれから平均寿命が延びて、リタイアしてからの時間が今まで以上に長くなります。そうなれば、自分で稼ぐのではなく、お金に稼いでもらう重要性が益々強まります。

汗水たらして働く労働が美徳で、お金を右から左に動かす資産運用で得た収益は卑しいあぶく銭。そんな風に考える日本人のメンタリティでは、新しい資本主義の中では豊かになれないのが現実です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年11月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。