皆さまは、朝起きたときどのような感情を抱くだろうか。「忙しい」「慌ただしい」、素晴らしい日もあれば、悔いの残る日もある。それは朝の過ごし方にかかっている。人生は1日の積み重ねだから、朝の過ごし方が人生を左右するものであると言っても過言ではない。
もし、朝の過ごし方を考えているなら朗報がある。今回は、『何もかも思いのままにできる人のマインドスイッチ365の極意』(主婦と生活社)を紹介したい。著者は、久瑠/あさ美。現在は、経営者やアスリート向けのメンタルトレーナーとして幅広く活動している。メディア出演実績も多く、著書累計92万部のベストセラー作家でもある。
「主婦と生活社」についても簡単に紹介したい。特徴としては、日本初の女性週刊誌『週刊女性』、ファッション誌『JUNON』『LEON』、NHK番組本や『NHKガッテン』などを手掛けている。近年では、ビジネス書や実用書の実績も多い出版社である。
久瑠氏は、川崎宗則選手(福岡ソフトバンクホークス)や、嘉風関(尾車部屋)、金田久美子選手(プロゴルファー)など数々のトップアスリートや経営者を指南してきた実績がある。トップアスリートのメンタルと言われても、「自分には関係ない」「そんなのわかり難い」と思う人もいるだろうから、わかりやすくヒントを提示したい。
マインドスイッチとはなにか
まず、「どんな人にも潜在能力が備わっている」と、久瑠氏は語っている。よく考えてもらいたい。最初から成功者だった人が存在しないことからも明らかである。
「そのカは1人1人違っていて、千差万別であるということです。自分の内面を知ることでマインドのスイッチが変わります。そこから先が新しい幕開けなのです。」(久瑠氏)
しかし、変わりたいと思っているのに、「私なんてどうせ変われるわけがない」とブレーキをかけてしまうことがある。これが「メンタルブロック」になる。そうした無自覚にかかるブロックをはずす“コツ”が存在する。ここで、本書の一部を紹介したい。
10日目/365日「メンタルは強いか、弱いかでとらえなくていい。」・・・メンタルを強くしたい、と悩む人は多いのですが、私自身は「強靭なメンタルを目指しましょう」とは伝えたりはしません。すべては、心の視点の問題だからです。
212日目/365日「人生の主導権を自分に取り戻そう。」・・・メンタルブロックを外す第一歩は、まず自分の心の内側にフォーカスして、「自分はどう在りたいのか」を心に問うてみること。
私はEQの専門家でもあるので、この点について言及したい。ストレスを感じたとき人によってとらえ方は異なる。ストレスの強さを表す「メンタルタフネス」という指標がある。ストレスに弱い人がいる一方、「ストレスを感じるほど燃えてくる」という人がいる。では、ストレスに弱い人の耐性を強化できるかという話になるがそれはかなり難しい。
「強いか、弱いかでとらえなくていい。すべては、心の視点の問題だからです」「心の内側にフォーカスして」とする、久瑠氏の考えは理にかなっているともいえる。また、「自分はどう在りたいのか」を問うことで自己が確立されていく。EQの「私的自己意識」が影響する指標になるが、自己が確立されることで伸びてくる知性でもある。
いくつかの知性が上手く機能すれば、自信を持てるようになる。心理学用語やEQは難解で必ずしも一般性を持つものではないが、メンタルブロックは分かりやすい表現で解釈も容易である。メンタルブロックがはずれれば打ち手を見つけることは難しくない。
自分と向き合う必要性
「自分がわからなければ、他人のことをわかるはずもない。他人が見えていなければ、自分が何者かがわからなくなる。人間はなぜ、自分そのものと向き合おうとしないのでしょうか。」(久瑠氏)
自分そのものと向きあえば、進むべき方向性が明らかになってくる。どうせ生きるなら、楽しく、存分に、悔いを残さないような毎日でありたい。そのことを肯定的に理解することで、自分の内面を活性化させる強いマインドを醸成させる。
本書にはマインドスイッチに関連する365本のメッセージが込められている。平易ではあるが奥が深い。きっとあなたに役立つメッセージが見つかることだろう。
参考書籍
『何もかも思いのままにできる人のマインドスイッチ365の極意』(主婦と生活社)
尾藤克之
コラムニスト
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