希望の党の共同代表選挙が終了し、玉木氏が選出された。
対抗馬の大串氏をあれこれ腐して希望の党から離党させようとしている識者の方もおられるようだが、昨日の公開討論会での大串氏の語り口からするとご本人はとても謀反を起こすような人ではなく、自分が意見を言わなければならないと思う時は意を決して口を開くが、本質的には組織の決定には従順で、共同代表に選出された玉木氏をバックアップする側に回ることを躊躇しない人のように映る。
希望の党の混乱を期待しておられる方々は頻りに大串氏や大串氏に投票した人たちに離党するよう煽り唆しているようだが、今から立憲民主党に移籍しても何の役職も割り振られず、世間にずいぶん無節操な人だなあ、という印象を振りまくだけに終わるだろうから、くれぐれも下手は打たれないように留意されたらいい。
寛容なる改革保守を標榜し、ひたすら中道を歩もうとしている希望の党の中にも子細に見ると色々な意見の持ち主がいる、ということ自体は決して悪いことではない。
自民党を凌駕できるような、信頼に足る新しい保守政党を創り上げるためには、大串氏のような意見の持ち主が中にいる、ということは結構大事である。
自民党にはそれこそ右から左まで、真正保守を標榜するタカ派の人もいれば、極めて良識的で社会的弱者に優しいごくリベラルな人もいるのだから、自民党に拮抗できる穏健保守の政党を本当に創り上げるのなら大串氏のような人を希望の党から追い出してしまうのは勿体ない。
共産党や社民党の人まで希望の党に紛れ込んでしまったのでは希望の党は本当に穏健保守、寛容なる改革保守の政党かどうか疑わしくなってしまうが、私が見る限りでは玉木氏と大串氏の間には決定的な対立はなく、共同代表選に敗れた大串氏にとって希望の党の居心地が悪い、ということにはならないはずである。
まあ、立憲民主党を応援したい人は一人でも多くの国会議員が立憲民主党に移籍してくれるのを歓迎するだろうが、将来の発展可能性という一点から言えば、立憲民主党よりも希望の党により多くの可能性がある。
希望の党の共同代表に選出された玉木氏には、39票もの投票がなされたようである。
チャーターメンバーの全員が玉木氏に投票し、かつこの度の選挙で初めて当選した新人議員も玉木氏を支持したというのであれば、希望の党における玉木氏の基盤はほぼ盤石だと言っていい。
玉木氏は最初の選挙で落選し、地べたを這いずり回りながら強固な支持基盤を築いてきた苦労人のようであり、若い人たちや弱い人たちへの配慮も十分できる人のようである。
マスコミが言いほどには、希望の党はギクシャクも混乱もしていない。
まあ、希望の党は結構幸先のいいスタートを切った、と評価するくらいでいいんじゃないかしら。
この結果なら、小池さんも納得するはずだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年11月10日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。