こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
10日に開かれる新市場建設協議会にて、豊洲市場の開場日(移転日)が10月11日で決定される見通しとされていましたが、急きょ、市場建設協議会が中止=開場日の決定が延期されることになりました。
豊洲市場 江東区長の認識受けオープン日の決定先送り
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171109/k10011217461000.html
事実関係から整理して説明をしますと、まず「10月中旬移転で業界が合意」との報道・方針を受けて、11月6日に江東区長および江東区議会議長が声明を発表します。
従前から豊洲市場の立地する江東区は
・土壌汚染対策
・地下鉄の延伸を含む交通対策
・賑わい施設(千客万来施設)の整備
を求めており、これが市場移転が行われるための事実上の「東京都との契約」となっていました。
今回のこの声明は従前からの主張と変わらないものの、区長による最後の
「本区は、賑わい施設を整備することが確定しない限り、市場の受入れを再考せざるを得ないものと認識しております」
という発言は、これまでよりやや踏み込んでいる印象です。
こうした江東区側の声明を市場業界紙が取り上げたことで(業界紙が取り上げたのは議長コメント)、移転慎重派を中心とした市場業者の方々が強く反発。
「地元区の理解がない中で、移転日を決定するのはいかがなものか」という意見が出たことにより、協議会は延期・移転日の決定も先送りされることになりました。
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東京都と江東区の3つの約束はどれも将来的に解決しなければならないものですが、特に区長のコメントでより強調されている「賑わい施設の整備」が喫緊の課題になっていると言えます。
事業者から撤退の可能性も示唆されている千客万来施設の重要性については、私自身も都民ファーストの会在籍当時から強く主張してきたものです。
「千客万来施設」は、中央卸売市場の成功のために必要不可欠。最重要課題として対応を
http://otokitashun.com/blog/daily/15627/
残念ながら私の力不足により、この間に千客万来施設の問題に対して都や都議会が解決策を提示できなかったことについては、大変申し訳無いと思っています。
私もいち都議として築地事業者の皆さまを初めとして、関係各所と連絡を取らせていただいているところではありますが、最終的には小池知事自身の行動なくしてこの課題は解決不可能であるのは否定できない現実です。
都政に専念されることを宣言した小池知事は早急に、
・千客万来施設の事業者
・江東区長および江東区議会
・築地市場の現地事業者
の三者に「直接」お会いをして、説明や交渉を開始するべきと考えます。
そして、知事自ら音頭を取った「築地再開発」の全容についても早期に明らかにし、必要であれば修正を図っていくべきです。
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市場移転問題は、非常に難しい局面に入ってしまいました。そしてその責任の一端は、私自身もあります。
豊洲市場移転問題についての総括 -政治的判断の過ちと今後について-
http://otokitashun.com/blog/daily/16362/
誠に申し訳ありませんでした。
しかしながら、都知事や都議会が現実と向き合い軌道修正を行っていけば、市場移転を完遂できるはずです。間違っても、移転ができないなどという事態を招いてはなりません。
そのための第一歩が、小池知事自身による関係者との折衝開始です。
会うことが決まれば議題が決まり、議題が決まれば解決策の提案が求められる…といった具合に、物事がすべて動き出すからです。
小池知事自身が上記の三者と会う機会が早急に設定されるよう、私も議会などを通じて強く働きかけて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年11月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。