東京都の300億円ファンド計画は“豊洲超え”の汚点になる

荘司 雅彦

「国際金融都市・東京」構想の策定を発表した小池知事(10日、都知事Facebookより:編集部)

運用業者育成でファンド設立、東京都が300億円規模、減税も(Bloomberg)

小池知事は、あまりにもファイナンス理論を知らなすぎると思います。

長期的にインデックスに勝てる運用業者は存在しません。
分散投資と安全資産の組み合わせが最もパフォーマンスが高いことは数学的に証明されています。

ましてや、ファンド・オブ・ファンズというのは、手数料を二重取りするためにかつて外資が売り込んだ劣悪商品。

やるのであれば、ご自身の個人資産でやって下さい。
都民の血税を使うことには断固として反対です!!!

そもそも、世界の金融都市、とりわけロンドンは、規制緩和をして海外の業者が競争しやすいような環境を作ったからこそ発展したのです。

英国以外のプレーヤーが活躍する「場所貸し」をウインブルドン現象と揶揄されたものです。
(最近は、英国のテニスプレーヤーも強くなりましたが)

官業が入り込んだら絶対に公平公正な競争の場は実現しません。

東京都は時差的に見てロンドンとニューヨークの中間点ですが、今ではシンガポールの方に世界の目が向いています。

金融庁と喧嘩してでも、金融に関する規制を思いっきり取っ払うのがホンスジ。
豊洲問題を遥かに超える後世への汚点を残してはなりません。

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荘司 雅彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-06-22

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のFacebook 2017年11月9日の記事を転載させていただきました。