テロ支援国再指定:対北軍事行動の可能性高まる

高 永喆

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米国は中国特使が訪朝を終えた段階で北朝鮮をテロ支援国に指定した。北朝鮮を「殺人政権」と認定した。9年ぶりの再指定だ。今後、北朝鮮が米国と国際社会の圧力に屈しない場合、米国の軍事行動の可能性がますます高まるはずである。

今回、金正恩朝鮮労働党委員長は中国の対北特使に会わなかった。金正恩委員長に代わって対外的に北朝鮮を代表する金泳南最高人民会議議長も中国特使と会わなかった。これは米、中の対話提案を拒んだことに他ならない。それで、トランプ大統領は北朝鮮をテロ支援国に再指定したわけだ。

最近、北朝鮮は朝鮮人民軍の黄炳瑞総政治局長と金元弘同第1副部長を粛正した。朝鮮労働党を代表する崔龍海副委員長が主導し軍部トップの2人を処罰したという。しかし、今回は処刑を伴う粛清ではなく左遷並みの「粛正」だと考える。

一見すると、党と軍部の権力闘争のように見えるが、軍部と党の力のバランスを取って唯一指導者への忠誠心を高める狙いだろう。国際社会の経済制裁が強まる中、北朝鮮の内部で不平不満が爆発する恐れがあるため,労働党が国内の安定(治安)に集中するための粛正だと考える。

北朝鮮が2カ月以上,核実験と弾道ミサイル発射を行わない理由は外貨不足だと考える。テロ支援国再指定によって北朝鮮は寒い冬を迎え,厳しい生活難に耐えられない状態に陥るだろう。

住民の生活難に加え、核と弾道ミサイル実験の予算がなくなったら北朝鮮は頭を下げて対話に応じる可能性もなくはない。そうして、北朝鮮が核保有より経済難を打開する賢明な選択肢を取ることも期待できる。北朝鮮の政策決定を左右するエリート達は決して愚鈍でも間抜けでもないからだ。北朝鮮が生き延びる賢明な選択肢を採ることを期待したい。

今後、テロ支援国に対する「経済圧力」と「外交・軍事圧力」で北朝鮮が核を放棄しない場合、米国はやむを得ず軍事行動の選択肢を採らざるを得ないだろう。北朝鮮が核保有にこだわる限り、政権存亡の危機に直面せざるを得なくなるのだ。

(拓殖大学客員研究員・韓国統一振興院専任教授、元国防省北韓分析官)

※本稿は『世界日報』(2017年11月22日付)に掲載されたコラムに筆者が加筆したものです。

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2017-03-25