群れるな!自分の中にある「バカ」を呼び覚ませ

この写真のように群れてはいけない。田中氏より提供


「頑張っているのに、なぜか毎日が楽しくない」「将来のことを考えるにはどうすればいいのか」。そんなこと思い、日々モヤモヤしている人はいないだろうか。今回紹介するのは、『群れない。ケンブリッジで学んだ成功をつかむ世界共通の方法』。なお、アゴラ出版道場でもお世話になっている、秀和システムの田中氏が編集を担当している。

著者は塚本亮氏。偏差値30台の不良から、やがてケンブリッジ大学院まで進み、卒業後は、若者に生き方を指南してきた自己変革を説いた一冊になる。最近は、柔らか系の書籍が主流だが、硬派な本を見つけた。パンチが効いていて気持ちがいい内容だ。

いい人が好かれない本当の理由

――群れる人には、本質的にいい人が多い。でも、そういう人ほど魅力がない。悪い人物ではないが、大して好かれもしない人が周りには多くないか。

「ひょっとすると、自分がそうかもしれないと思うのであれば、次の2つのことを確認してみてください。『自分を主張することなく、周りと上手く合わせられる』『どんなときでも角を立てず、そつなく人間関係を築ける』。総じて、“いい人”と言われる人には、こういうタイプが多くなります。しかし人は凹凸に惹かれるものです。」(塚本氏)

「昔を思い出してください。学生時代のクラスの一番人気は、イケメンじゃなくて面白くてバカな人ではなかったですか?なんでも平均的な人間は、つまりは空気のようなものです。突き抜けていたり、振り切っている人というのは、例外なくバカです。それは、自分のやりたいことだけに没頭している証です。」(同)

――それゆえ、人にはないズバ抜けた部分を持てるようになる。それがその人の魅力であることは言うまでもないだろう。高学歴で一流企業に勤務しているエリートより、波乱万丈で決してエリートではないが味わいのある人に惹かれると同じ理由だ。

人として凹凸があるから必要とされる

――組織という中ではバランス感覚が必要とされる。しかし、嫌われたくないという不安にかられて、周囲に気を使いすぎているのなら疲れてしまう。

「なにかに没頭することは、ある意味怖いことです。僕もかつてはバランスを取ることが得意だったからよくわかります。しかし、毒にも薬にもならない生き方は、つまらないもの。パズルのワンピースと同じで、出っ張っていたり、凹んでいたりするから、人から必要とされるのです。僕にしたって、いまだに欠点だらけなのですから。」(塚本氏)

「僕は子どもの頃、『天才バカボン』が好きでした。とくにバカボンのパパのセリフで印象に残っているものを紹介します。今読んでも、とても味わい深いものがあります。

--ここから--
わしはバカボンのパパなのだ!この世はむずかしいのだ!
わしの思うようにはならないのだ!でも、わしは大丈夫なのだ!
わしは、いつでもわしなので大丈夫なのだ!
これでいいのだと言っているから大丈夫なのだ!
あなたもそれでいいのだ!それでいいのだ!
--ここまで--

知っての通り、バカボンのパパは間違いなくバカです。それだからこそ多くの人に好かれます。バランスばかりを取ることはもうこれくらいにして、自分のバカな部分に誇りを持つことが大切です。そうすれば、人から好かれるようになります。人から笑われるレベルのバカになってみる。バカほど個性的な生き方はないのですから。」(同)

――参考までに、ケンブリッジ大は、ハーバード大、シカゴ大、オックスフォード大等と並び世界大学ランキングでトップレベルの評価をされている。英国の「The Times」が発行する「The Times Higher Education」(2018)では、2位となっている。

ケンブリッジで、塚本氏は自分の生き方が世界では当たり前であることに気がついた。挑戦し勇気をもてば「群れる」必要性はなくなる。人にどう思われているのか、人がなにを考えているかを気にしてばかりの人。このような人に一読をおすすめしたい。

参考書籍
群れない。ケンブリッジで学んだ成功をつかむ世界共通の方法』(秀和システム)

尾藤克之
コラムニスト