知識はアウトプット出来てはじめてモノになる!

昔、司法試験受験予備校で教えていた頃、私がしきりに受験生に強調したことは「アウトプットの重要性」でした。

試験の点数は、答案用紙に書かれた内容だけで判断されます。
逆に言えば、答案用紙に書くことのできない知識をいくら持っていたとしても、(こと試験に関しては)無用の長物なのです。

当時は、一週間に一回の答案練習会という模擬試験を受けるだけで、後の時間を予備校の講座やテキストの読み込みに使っていた受験生がかなりいました。

「1日8時間勉強するとすれば、一週間で56時間。アウトプットの模擬試験は2時間。インプットとアウトプットの比率は54対2となり、バランスの悪さは歴然としています」などと偉そうに説いたものでした。

私はといえば、受験生時代一週間に4回答案練習会を受け、その後受験仲間と勉強会をして口頭でのアウトプットをし、択一の模擬試験もできるだけたくさん受けるようにしました。

社会人の知識習得も同じです。漫然と講座を聴いていたり本を本でいるだけでは、理解が不完全なこともあるし、何より忘れてしまいます。人間の忘却は驚くほど速いのです。

習得した知識を確実に定着させる方法は、何と言ってもアウトプットが一番でしょう。
問題集がある分野であれば、問題集に取り組むのも効果的です。
ブログやメルマガ等で書いてみるのもいいでしょう。
知人とそのテーマについて議論するのも効果的です。

昨今は、大学や予備校に行かなくても、ユーチューブを検索すれば「経済学」「法律」「経営学」など、たくさんの無料講座がアップされています。

このようにインプットのアイテムは飛躍的に増えています。
たくさんのインプットアイテムがありすぎると、ついつい忘れがちなのがアウトプット。
個人的には基本事項を一通りインプットしたら、後はアウトプットに時間を割くほうが学習効果が高いと考えますが、どのくらいの比率にするかは各人各様なので適宜調整して下さい。

知識をアウトプットできるくらい定着させれば、他の知識と組み合わるなどして新しい発想や知恵が生まれます。

創造は詰め込みの産物であることは以前書きました。
モーツアルトも吉田松陰も詰め込み教育を受けていました。

過去記事:創造性は詰め込みの産物

詰め込みの最終段階は正確にアウトプットできること。
それをしっかり認識しましょうね。

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荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年11月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。