資産運用業界の「投資家」と「評論家」の大きな違い

資産運用業界の専門家には2つの種類があります。1つは結果に対するリスクを取っている「投資家」、そしてもう一つはリスクを取らない「評論家」です。

例えば、アクティブファンド(投資信託)を運用するファンドマネージャーは、金融の世界の投資家ということができます。運用するのは自分のお金ではありませんが、マーケット変動のリスクを取って、実力が運用パフォーマンスで判断されます。結果が出なければクビになってしまう仕事です。

一方、同じ金融の世界でも、マーケットアナリストやストラテジストと呼ばれる仕事は、「予想」を出して投資の情報提供をするのが仕事ですが、結果に対する責任は必ずしも負いません。予想が当たれば大騒ぎし、外れたら黙っているか後講釈で言い訳する。そんな人も多いのです。彼らの仕事の評価基準は、予想が当たるか外れるかではなく、人気があるかないかです。

不動産の世界でも状況は同じです。自ら資金調達し、物件を所有している「投資家」は、失敗すれば資産なくなってしまうリスクを負っています。

一方、同じ不動産の世界でも、不動産コンサルタント、不動産アナリストと呼ばれるような、コラムに「予想」を書いて生計を立てている人たちは、結果に対する責任を必ずしも負いません。予想が当たれば騒ぎ、外れれば静かにしている。金融の世界と全く同じです。

投資家の言うことと、評論家の言うこと。どちらを信用すべきか。同じ船に乗っている人と、対岸からリスクを負わずに言いたいことを言っている人のどちらが自分事として仕事をしているかは明らかです。

確かに、資産運用をテーマに面白おかしく分析する評論家も、エンターテイメントとして欠かせない人材かもしれません。また、誠実にマーケットと向き合い、情報提供している優秀な評論家もたくさんいます。しかし、最終的には責任を取らない仕事であることを忘れてはいけません。

昨日、知り合いの不動産会社から、都内に区分所有物件を紹介いただき、新たに購入することにしました(写真)。都心・中古・ワンルームに関しては新刊「初めての人のための99%成功する不動産投資」に書いたように、今からでも投資のチャンスは充分にあると思っています。ただし「99%成功する方法」でやる必要があります。

私は資産運用に関しては金融資産から不動産、仮想通貨まで自ら「人体実験」して、それを情報提供する「投資家」として活動しています。投資にはリスクがあります。私と同じ船に乗っているからといって「絶対安心」と保証はできません。しかし、自らも同じリスクにコミットすることで、見えてくる情報があると思っています。それを書籍やブログ、そして資産デザイン研究所メールで、できる限り正確に提供していきます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。