ケニア共和国ウフル・ケニヤッタ大統領就任式典に安倍晋三内閣総理大臣特使として参列しました。式典は、近隣諸国の元首、各国の政府特使・閣僚・大使らが参列する中、再選されたケニヤッタ大統領を祝う超満員の熱狂的な歓迎に包まれ、6万人が収容できるカサラニ競技場で11月27日昼開催されました。
式典終了後、大統領官邸に移り公式午餐会に参加。その後、大統領との会談を行いました。
これまでしばしばお会いしてきたケニヤッタ大統領は、私が部屋に入るなり「my friend 」と言いながら強く抱き締めてきました。安倍総理大臣からの心のこもった親書を手渡し、再選の祝意を述べるとともに、日本とケニアの重要な経済協力案件であるインド洋の要衝・モンバサ港特別経済区域の推進について、大統領の指導力を要請しました。
アフリカ諸国の指導者たちが世代交代を迎えるいま、ケニヤッタ大統領には東アフリカ地域だけでなく、アフリカ全体を代表する若き強い指導者として活躍されることを期待しております。
注目すべきことは、式典に中国から派遣された特使の地位が、前回より格段に高くなったことです。中国では一般に、政府(国務院)より共産党の方が力があると、言われています。前回は国務院の農業部副部長が参列したということですが、今回は、共産党中央対外連絡部長として中国外交の実権を担った王家瑞・中国人民政治協商会議副主席が来ていました。モンバサからナイロビを結ぶ約472kmの鉄道が中国の支援により六月から営業を開始、総事業費およそ3,531億円のうち九割を中国輸出入銀行が融資しました。さらに今後、ウガンダ、ルワンダ、南スーダンなどの内陸国へと鉄路を延ばす計画です。
安倍総理大臣が提唱する『自由で開かれたインド太平洋戦略』の中で、東アフリカの玄関口・ケニアの戦略的な重要性はいっそう増していきます。「あなたにはもっと頻繁にケニアに来て欲しい」、大統領から親しみを込めて何度も何度も言われました。2004年12月、外務大臣政務官として初めてケニアを訪れて以来、この国でたくさんの友人・知己を得ました。先代のキバキ大統領から贈られたケニア国旗のネクタイを締めて、私のケニア通いはこれからもつづきます。
—
河井 克行(かわい かつゆき)衆議院議員(自民党、7期・広島3区)。
党総裁外交特別補佐。内閣総理大臣補佐官(外交担当)、党総務会副会長、衆議院外務委員長、党副幹事長、法務副大臣、党国防部会長、外務大臣政務官などを歴任。