こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は都議会一般質問が行われ、私もわずか6分という持ち時間ながら、ラストバッターで登壇いたしました。
短い時間ゆえ、その大半は市場移転問題に(質問全文は最後に掲載)。
豊洲と築地の双方を活かすという政策が、今なお見通しが立たないこと。安全宣言を先送りにしていること。その結果、多くの関係者の理解が得られていないこと。
こうした現状に鑑みれば、知事の市場移転に政策判断は、明確に誤りであったと判断せざる得ないことを指摘しました。
ならば、その知事の姿勢を支持してきた私自身も、自らの誤りを認め、都民・関係者の皆さまにお詫びを申し上げなければなりません。
本会議場にて改めて、謝罪を行わせていただいた次第です。改めまして、私の力不足と政治判断の誤りを陳謝いたします。
誠に申し訳ありませんでした。
そして知事にも、共に過ちを認め、謝罪と方針撤回することを促しましたが…。
答弁内容より何より、知事のこの表情を見ると、私や多くの関係者の切実な想いは残念ながら遠く届かなかったようです。
私は具体的な政策として、次年度に5,700万円が中央卸売市場から予算計上されている「築地再開発検討予算」、これをリセットして「ゼロ」にすることを提案しています。
すなわち、築地市場跡地は有償所管換え(中央卸売市場から財務局へ売却≒食のテーマパーク構想は喪失)を行い、現在行われている検討会議はそのための前提条件を検証するに留め、今年度中に結論を出すことです。
それはつまり、築地跡地の活用については従来の方針へ戻すことになり、江東区や千客万来事業者の理解は得やすくなります。
築地市場の関係者には知事自身が足繁く通い、誠意を尽くすことで納得していただく他はありません。
こうした質疑に対して小池知事は、
「築地は将来の東京にとって、極めて重要な役割を担うエリアであり、ポテンシャルを最大限に活用してよりよいまちづくりができるようしっかりと検討していく」と述べ、引き続き築地の再開発を進めていく考えを示しました。(引用:NHK)
残念ながら答弁内容も、旧来の方針を繰り返すものに留まりました。
しかしながら、知事がこの頑ななスタンスを崩さない限り、市場移転問題の円滑な解決は望めません。
過去の都政史を振り返っても、都知事が政策・公約を撤回し、謝罪した上で新しい方針へと進む例は存在します(コロコロ変わられても勿論、困りますが…)。
小池知事はすでに、「食のテーマパーク」という公約を事実上撤回する発言もしています(過去ブログ参照)。加えて築地跡地の有償所管換えは、都議会公明党なども強く主張していることです。
引き続き早期の豊洲市場移転の実現と、現実的で都民負担のない築地再開発のため、政策提言を続けて参ります。
※「有償所管換え」については、一般の方には難しい概念のため、また別途ブログ記事で解説致します
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そして昨日発売の「都政新報」では、築地東京青果物商業協同組合の泉未紀夫理事長との対談が掲載されました。
相手のあることなのでなかなか表に出来ないことも多いのですが、離党後は泉理事長を初めとして様々な市場業者さま・関係者さまのもとに伺い、ご指導をいただいています。
誤った政策判断で混乱を招いた私自身の政治的責任は、自ら足を運び、そして現場の意見を政策として届け、結果を出すことでしか挽回できないと思っています。
最終的に知事に動いていただかなければ、問題が解決できないことは確かですが、知事を批判しているだけでは何も産まれません。
引き続き私も汗をかき、少しでも早期に状況を好転できるよう努めていく次第です。
それでは、また明日。
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【質問全文(6分)】
初めに、市場移転問題についてお伺い致します。移転問題は、まさに混迷の最中にあります。小池百合子知事が基本方針を発表してから、早くも半年が経過いたしました。しかし、江東区、千客万来施設、築地市場関係者の理解を得られないことから、移転の展望が描けない状態となっています。
築地市場を売却せずに、賃料として年間160億円以上の収益を産み出す。この基本方針は発表時点では、まったく不可能なことではなかったのかもしれません。ですが、今なお肝心な「築地再開発」の実現可能性が示せず、主要関係者の賛同が一切得られない状態を見れば、残念ながら一連の知事の移転政策は、政策判断として間違ったものであったと判断せざるを得ません。
であれば何より、安全宣言の先送りなども含む、知事の市場移転に関する判断をこれまで支持してきた私自身、その過ちを認め、都民・関係者の皆さまに、お詫びをしなければなりません。
誠に申し訳ありませんでした。
そして改めて、環状二号線の着工も迫るいま、この事態を打破する提案をさせていただきたいと思います。それは現在、次年度予算として中央卸売市場から5,700万円が要求されている築地再開発の検討予算、これを「ゼロ」にすることです。すなわち、築地再開発の検討は、有償所管換えを前提としてその条件を検証するにとどめ、年度内の完結を目指すことであります。跡地利用を従来の方針に戻せば、千客万来施設の事業者は納得し、地元江東区の了承も得られます。築地市場の関係者の元には知事自らが足繁く通い、誠意を尽くすことで理解を求める他ありません。
知事、この市場移転問題については、私たちは明確に、その政策判断を誤りました。しかし、古来より「過ちては改むるに憚ること勿れ」とも申します。率直に一連の間違いを認め、築地再開発については次年度予算を含む抜本的な見直し・撤回を行い、関係者の元に早急に足を運ぶべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
次に、築地再開発検討会議についてお伺いいたします。現在まで2回が開催されたものの、結論が出るのが来年5月と、知事が標榜する「スピード感」とはかけ離れたスケジュールとなっています。著名な有識者を集めれば集めるほど、会議の開催や意見集約は困難を極め、事態の「先送り」という批判を招きかねません。先に述べたように、議論の内容は有償所管換えを前提とした条件面など、最小限の議題に留めるなど改善を行い、遅くとも今年度末、3月末までには検討会議およびその取りまとめを完結させるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
また、議論の進め方にも強い懸念があります。検討の前提として、築地の再開発にあたっては年間160億円の賃料を産み出すこと、千客万来施設との整合性を図ること、環状二号線の開通が急務であることなど、絶対に動かすことのできない前提条件が存在します。こうした前提がきちんと共有されていれば、「おうぎ形の建物を残す」などの発想は出てこないはずであります。自由にも限度があり、前提条件の共有されていない議論には大きな意味が感じられません。各委員の方にはどのように現状が説明され、どのような依頼がされているのか、所見をお伺い致します。
最後に、知事の政治姿勢についてお伺い致します。かつて都民が知事に寄せた期待は大きくしぼみ、いまや不支持率が支持率を上回る状態にあります。その最たる要因は、知事が公約の一丁目一番地として掲げた「情報公開」が、特に、知事自身について不十分だからではないでしょうか。
市場移転を例に申し上げれば、小池知事は石原元知事の意思決定について、「なぜ豊洲だったのかわからない」と、強く問題視されました。その発言は世論を大きく動かし、都議会も百条委員会を設置するに至りました。一方で、小池知事自身は豊洲と築地、双方を活かすという意思決定について「AIだからです」「回想録に残すことはできる」と、最終的には自身の中でのみ政策判断をしたと主張されています。
それも、一つの手法としては認められます。手続き上の瑕疵もないのでしょう。しかしながら、かたや前任者の情報公開・説明責任の不徹底を責めながら、かたや自分自身にはその厳しい基準を当てはめないという、その二重基準となる政治姿勢こそが、都民の不信を招いたのではないでしょうか。
小池都政になって、行政機関の情報公開が飛躍的に進んだことは、高く評価いたします。一方で、小池知事自身の政治判断や、あるいは知事が顧問を務める組織などにおいて、新たなブラックボックスが生み出されている。そんな疑念を、私は払拭することができません。小池知事の情報公開・説明責任に対する姿勢を、この場で改めてお伺いいたします。
そして、わたしたちかがやけTokyoは、小池知事が都知事選、あるいは都議選で掲げた東京大改革、特にその柱となる情報公開やしがらみのない政治、「ふるい議会を新しく」という理念に、『真に』基づかれて行動する限り、その改革を共に進め、力強く支援していくことを申し上げまして、私の質問を終わります。
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年12月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。