齋藤孝氏の著書と記憶しているのですが、今までの人生の恩人と受けた恩を思いだすと精神的にとても安定すると書かれていました。
「〇〇法」とかいう名称が付いていたと記憶しています。
デール・カーネギーによると、わが子の恩知らずぶりを嘆く親が世間に山ほどいるが、人間は本来恩知らずな生き物なので、親が感謝の気持ちを教えるべきだったとのことです。
心理テクニックのひとつである「返報性の原則」を利用しても、上手くいかなかった経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
そのくらい、人間は「受けた恩」を驚くほど短期間に忘れてしまうようです。
私自身、自分の人生を振り返ると、本当にたくさんの人たちに助けられてきたことを実感します。
小学生からの同級生、先生、先輩たちの数々。
大学受験の時聴いていた旺文社のラジオ講座の先生方の名前も何人か頭に浮かんできます。
社会人になってお世話になった先輩や上司、お客様。
司法試験受験時代の恩師たち…弁護士になってからお世話になった方々。
一人ひとりの顔を思い浮かべると心が暖かくなります。
もっとも、人間関係というのはとても複雑で、自分が恩人だと思っている人から敵視されることも多々あります。
組織上の対立や立場の対立、はたまた心無い人物が立てた悪評が原因になることが多いようです。
どんな人徳者であっても、周りの人間全てに好かれることは不可能です。
知った半分が味方になってくれれば、その人は大変な人徳者だと私は思います。
小中高のひとクラスが40人として、仲良くなった人の人数を数えてみれば明らかでしょう。
20人と仲良くなれた人は滅多にいないはずです。
最近、社会人1年目の時にお世話になった先輩2人と司法試験受験生時代にお世話になった恩師と連絡が付き、感謝の気持ちを伝える幸運に恵まれました。
「感謝の気持ちを伝えることができてよかった」と素直に喜んでいます。
ギブアンドテイクではなくギブアンドギブで行こうではありませんか?
拙著「説得の戦略」P88にも「お返しがなくても気にしてはいけない」と書いておきました。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年12月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。