中学受験算数、直前の勉強法

年が明けると、中学受験の季節がやってきます。

受験生を持つ保護者の方々の多くは、わが子の算数の成績が心配なのではないでしょうか?

中学入試の本試験の算数の問題は本当に難しいです。

東大の理系に合格したばかりの学生に難関中学の算数の問題を解かせたら、合格点が取れたのは2割くらいしかいなかったという話を聞いたこともあります。

本命校の問題を易しく感じるように、本命校の問題よりも難しい問題を子供に解かせたというお父さんもいました。

しかし、残念ながら、本命校には合格できませんでした。

実は、算数が不得手(不得手とまではいかなくとも不安)な子供が直前にやるべきことは「基本問題の繰り返し」なのです。

保護者の方の多くは、「冗談だろう。基本問題と本試験問題はレベルが違いすぎる。基本問題を繰り返す暇があったら応用問題をやるべきだ」と考えるかもしれません。

現に私も娘の受験前はそのように考えたこともありました。

しかし、ミスターツカムこと塚本誠一郎先生のメルマガに「基本問題を7回繰り返せば解けない問題はなくなる」という趣旨のことが書かれており、隙間時間を利用して娘に基本問題を繰り返し解かせることにしました。

その結果、本試験直前には娘の算数の成績はグンと伸び、本試験でも「9割取れた」と豪語していました(真偽はわかりませんが)。

応用問題はしょせん基本問題の組み合わせに過ぎません。

基本問題を瞬時に正確に解けるようになって初めて組み合わせをほどくことができるのです。

大昔の自慢話で大変恐縮ですが、私が早稲田大学政治経済学部を数学選択で受験した時、裏返して配られた問題4問のうち「初め」の合図の前に2問解けてしまいました(問題が逆さまに透けて見えたのです)。

その後の東大文系でも4問中3問完答+アルファでした。

私の出身高校は地方の進学校の上、私たちの代から学校群になったため、課題参考書や問題集は基本的なものばかりでした(緑チャートと数研のスタンダードといえばご存じの方も多いでしょう)。

つまり、基本を繰り返すことが主たる勉強でした。

基本問題を見れば瞬時に解法が出て来るくらい練習しました。

中学受験算数もこれと同じ。基本問題の解法が瞬時に浮かんでくるようになって、はじめて応用問題が解けるようになるのです。

今まで、中学受験生をお持ちの10人以上の人たちに「直前は基本問題の繰り返しを」とアドバイスしてきましたが、幸いにして全員第一志望に合格してくれました。

基本問題集は、新しく買うのではなく、今まで塾で使ってきた基本問題集がベストです。

解き直すことによって記憶の定着が強固になりますから。かの和田秀樹先生の「暗記数学」は、こういう意味なのです。じっくり暗記をするのではなく、解きまくって自然に憶えてしまうということなのです。

とはいえ、体調管理が何と言っても一番大切です。

睡眠時間を削ってムリに7回やって体を壊したら何の意味がありません。

問題の分量によっては2回くらいで十分な場合もありますから、くれぐれも誤解なきようお願いします。

荘司 雅彦
講談社
2006-08-08

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年12月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。