メリットのある人より、面白い人と付き合いたい

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

あなたはどんな人と付き合っていますか?またどんな人と付き合いたいでしょうか?

この質問にこんな答えを言う人がいます。「何かしら得られる物を持っている人」と。気持ちはよくわかります。誰しも自分にメリットをもたらしてくれる人を好きになり、付き合いたいと思うものです。

ご多分に漏れず、昔は私もこのような考えを持っていました。自分より優秀な人から情報やノウハウを得たい、プライベートで付き合うようにして色々と教わる人が欲しい。そう考えて交流会に参加したこともあります。しかし、今ではそのような考えは全くなくなりました。付き合ってメリットのある人とはプライベートに仲良くして無償で何かをしてもらう関係はありえないもの。プライベートでは心から楽しいと思える面白い人と付き合いたい、と思うようになったのです。

「一方的な関係」は存在しない

人と人との関係は与え、与えられるものです。これは本質的なものであり、一切の例外はないと思っています。無償の愛、という言葉のある親子の関係ですらギブアンドテイクのルールは持ち込まれています。親が子供にプレゼントをする時にも、子供は親に「愛」というお返しをしています。子供が喜べば親はもっと喜ばせたいと思う、そんな関係性が親子にも存在します。

色んな情報をくれたり教えてくれたりと、付き合ってメリットのある人というのは存在します。しかし、何も返さないでいいというわけではありません。はたから見ると教えてもらってばかりのように思えるかもしれません。しかし、その実教わっている側もきちんと相手に返しているものです。それは「ありがとう」という感謝の言葉であったり、「笑顔」という感情であったりします。よく「会社の先輩や上司がかわいがってくれる」という話がありますが、あれも後輩に教えて感謝されたり仕事でそのノウハウを活かして、仕事を円滑にすることに繋がるからやるわけで、ムスッとした顔で感謝も何もなく教わり続けても優しく教えてくれる人は存在しませんよね?

一方的な関係というのは世の中に存在しません。与えられている側も気づかない内に、必ず何かしらお返しをしています。

メリットのある人はお金で買える

こんな事を言うとまたケシカランというお声を頂いていまいそうですが、あえていうとメリットのある人はお金で買えるのです。

「お金より心や誠意」みたいな話がありますが、心だけでは長続きしませんし最初はうまくいっても後々崩壊してしまうことが多いと思います。これまでの経験を振り返ってそのように思います。昔、仲良くなった人とイベントビジネスをやったことがあります。最初はうまくいきました。物珍しさもあって、人が集まりお金になったのです。私は商品提供を、他の人は集客や進行を務めるなど役割分担をしてお金は等しく分け合っていました。

ですが、その内に不満を言う人が出てきました。「自分はあの人より明らかに労力を費やしているのにこの分前では納得できない。降りるわ」と。そうなったら不満の応酬です。「いやいや、そうはいうけど自分はこんな事を裏で頑張っていたのだからそこはちゃんと見てほしい」となっていき、しまいには「心がないなあ」みたいに人格攻撃が始まってしまいました。結局、その善意を差し出しあって始まったイベントビジネスは数回やった後崩壊しました。メンバーとはその後、やり取りもなくなってしまい今考えると「最初からビジネスライクにお金で解決を計ればよかった」と思っています。

ビジネス的なメリットのある人間関係はお金のやり取りがあるものです。その人の善意や優しさに寄りかかってはダメだと思います。逆にお金を出せばこれほど簡単でスッキリ、気持ちよくなるものはありません。私は投資と出版についてお金を払って先生をつけています。経験も実績も持っている先生へお金を払うことで堂々と質問をして、堂々と教わっています。先生としてもこちらはお金を払って学んでいる生徒になるわけですから、真剣に時間も労力も割いて教えてくれています。「無償で教えて」「友達でしょ」みたいにタダで求めると続かない関係になってしまうと思います。メリットのある人はスパッとお金を支払うのが一番だと思います。お互いにとって不満も負担もなくなる一番良い方法です。

面白い人はお金で買えない

また、付き合って自分にメリットがあるような優秀な人より、面白い人やワクワクするような人は圧倒的に数が少ないので希少性があります。

メリットのある人は世の中にいくらでもいます。それはつまり、自分よりレベルの上の人は全員その対象になるわけですからお金を払えば喜んで付き合ってくれるでしょう。しかし、面白い人はものすごく少ないですし、お金では買えません。なぜか?それは自分が面白いと思う人は可視化されておらず、実際に付き合わないと分からないからです。

私は大学の頃ぶっ飛んだクラスメイトがいました。元々DJをしていたのですが、夜間の短大へ入学した後に学部編入、その後はアメリカ、スウェーデンの大学に留学して帰国後は東大大学院へ入り、今はシリコンバレーでテスラのバッテリービジネスをしています。彼と話をしていて思うことはとにかく「ぶっ飛んでいる」の一言です。ロケットエンジンみたいな男で、ふと振り返ると想像もしないことをしています。本当に面白い人で、考えていることがよく分かりませんし、「何を言い出すんだ?」みたいな発言をポンポンするのですが、それはどれもが確信に満ちて驚かされるのです。「俺、短大出身なんだよ。でも将来は東大に行きたいと思っている」と出会ったばかりの頃に言われた時はこいつは何を言っているんだ?と思いましたがその後本当に東大に入ってしまいました。

また、「俺はこれから3年後にはシリコンバレーで働いているだろう」といってから3年してシリコンバレーで働いています。食事に行ってもハチャメチャです。きれいな人がいたらその場で突然ナンパをするし、料理の注文をする際は「この店で一番自信のあるものをくれ」みたいな頼み方をするのです。行動や発言に予測がつかないので一緒にいて飽きません。でもなかなかこういう人はいませんので、彼がシリコンバレーにいってしまってからも「久しぶりにあって話をしたいなあ」と思うことが多くなりました。

メリットのある人とはビジネスライクに、面白い人、一緒にいてワクワクする人とはプライベートで付き合いたいと思うようになりました。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。