「試練は益となる」を心の支えに

内藤 忍

クリスマスの華やかな季節は、人々の気分を高揚させます。しかし、賑やかな街の中にも、悩みを抱えたり苦しみに格闘している人たちが実はたくさんいるのです。一見幸せそうに見える人にも、それぞれの人に悩みがあり、まわりからは伺い知れないような絶望や深い闇があったりするのです。

以前このブログに書いたように、人生における試練に直面した時、「自分は今試されている」「今まで何とかなってきた」と言い聞かせるようにしています。

そして、もう一つの心の支えとして「試練は益となる」という言葉を、心に止めるようにしています。

試練を経てきた人の方が、順風満帆な人生を送ってきた人よりも、多くの経験を積み、人の心の痛みを理解でき、世の中を広く深く見ることができるようになります。

日本経済新聞の名物企画「私の履歴書」を読んでいると、苦労しながら深みのある人生を送ってきた人と、順調な人生ながら何とも浅い人生を送ってきた人がいることに気が付きます。前者の文章にはグイグイ引き込まれますが、後者の時は途中から読むのを止めてしまいます。

例えば、現在連載しているのは元プロ野球選手の江夏豊さん。プロ野球でもトレードでエリート街道を歩んだわけではありませんし、自ら招いた不祥事で大きな試練にさらされた苦労人ですが、それだけにその生き様に魅了されます。

以前のニトリの創業者である似鳥昭雄氏の連載も、壮絶な幼少時代の記述が印象的でした。

今苦しんでいる人にも必ず幸せな瞬間がやってくるのと同じように、今は幸せな人にもいつか辛いことや苦しいことがやってきます。

そんな時に心が折れないようにするには、支えになる考え方や心の持ちようが必要です。

自分は試されているという言葉は、試練を成長のエネルギーに変えられる可能性を示しています。そして今まで何とかなってきたという言葉は、未来には必ず光があることを指しているのです。「夜明け前が一番暗い」と言う言葉もあります。その先にやってくるのは絶望ではなく希望です。

人生に無駄なものは1つもありません。試練を含めて全てが益となる。歳を経ることに、そんなことが実感として心に染みてくるのが分かります。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年12月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。