恋愛ブームは再燃するか?

荘司 雅彦

昨年、登美ヶ丘高校ダンス部による「ダンシングヒーロー」がユーチューブで大変な再生回数を誇りました。あの映像を観て、私は既視感を抱きました。マイケル・ジャクソンの「スリラー」の映像を思い出したのです。

複数人が無表情で”切れ切れ”のダンスを踊るという点に、大きな共通点を感じたのです(もちろん、これは私だけの印象かもしれません)。

以前、斎藤孝氏が、漫画家の本宮ひろ志氏が「一定間隔で自分のサイクルがやってくる」と言っていると書いていました。

「男一匹ガキ大将」「俺の空」「サラリーマン金太郎」…と、いずれも主人公の顔と性格が同じ作品が、一定間隔で流行るというものです。

待っていればブームは向こうからやってくるという趣旨だと記憶しています。

「ダンシングヒーロー」の無表情の”切れ切れ”ダンスが「スリラー」のブームの再燃だと断定するのは早計です。

その間も”切れ切れ”ダンスは脈々と受け継がれていたのかもしれません(韓流のように)。

単に私が芸能関連に疎いだけかもしれません。

そこでもう一つ考えたのが、任天堂のスイッチです。
私は、任天堂がスイッチを発表した時、「VRでもARでもないのに、流行るのだろうか?」と懐疑的でした。

しかし、私の予想は見事外れて大変なヒット商品になっています。スマホゲームからの回帰、つまりブームの再燃と考えることができます。

「ダンシングヒーロー」にしても「スイッチ」にしても、ブームの再燃だというのは、あくまで私の仮説にすぎません。本宮ひろ志氏の「サイクル論」も確たる根拠があるものではありません。

しかし、こういう仮説を立てて物事を見ると、「何をいまさら」「時代遅れも甚だしい!」というようものが再ブレイク(しかも以前よりも大きなブレイク)をする可能性があります。

個人的には、供給過剰で何でもすぐに手に入る状態が続いているので、「手間暇かける」ものが再燃すると期待しています。

プラモデルやジグゾーパズル、ボードゲームなどもいいでしょう。
さらに、バブル時代のような男女の恋愛が再燃するのではないかと期待しています。

「手間がかかる」「面倒くさい」というのに慣れ切った時代の次には、ゆっくり試行錯誤しながら、相手の一挙手一投足にあれこれ悩む恋愛が新しいブームになるかもしれません。スピード感と利便性の裏返しです。

ブームが再燃するという仮説を下にしたら、あなたは何が再燃すると思いますか?
いろいろとご教示いただければ幸いです。

荘司 雅彦
講談社
2006-08-08

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年1月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。