ビットコインのリスクは「価格変動」ではなく「保管場所」

内藤 忍

仮想通貨マーケットが相変わらず激しく変動しています。一時200万円を超えたビットコインは、1ビットコイン=180万円前後で推移し、変動率は低下していますが、それ以外の仮想通貨の中には乱高下して、個人投資家が振り回されているものもあります。

例えばリップル(XRP)は年初に1XRP=400円を超えるレベルまで急上昇しました。昨年12月には、25円前後でしたから1か月で16倍です。しかし、高値を付けてから今度は価格が急落し、わずか数日で200円台前半と半値近くまで押しています。あまりに急激な変動の中、情報が錯そうして、高値掴みで大きな損失を被った個人投資家も多いと思います。

変動率の高さから、大きな損失を被るのが仮想通貨のリスクだと思っている人が多いと思いますが、私は仮想通貨の最大のリスクはセキュリティだと考えます。

例えば、コインチェック(写真)やビットフライヤーといったメジャーな取引所では、2段階認証というセキュリティを推奨し、ハッキングなどの被害を防止する仕組みがスタンダードになっています。ログインの際にパスワードだけではなく、毎回ランダムな数字を入力させることで安全性を高めていますが、逆にこれがリスクにもなるのです。

2段階認証の乱数を発生させる端末としてスマートフォンを使っている場合、そのスマートフォンを紛失したり、水没して使えなくなると自分自身がログインできなくなるリスクがあります。バックアップを取っておかないとまずいのですが、果たしてどの位の人たちがそのリスクを認識しているか。アクセスできなくなってから慌てても、もう遅いのです。

また取引所運営をしている会社に仮想通貨を置いておくと、ハッキングリスクはゼロではありません。それをリスクヘッジするためには、ハードウォレットと呼ばれる端末に保管する方法があります。しかし、これもやり方を間違えれば、自分が保有している仮想通貨を取り出せなくなるリスクがあります。

つまり、価格が下落したり、第3者に盗まれたりするリスクよりも、自らが自分の保有している仮想通貨にアクセスできなくなってしまう「自滅型」のリスクの方が大きいと言えるのです。

実際、仮想通貨で値上がり益を得たにも関わらず、自分の保有しているものがどこかに消えてしまったり、データを紛失してしまってアクセスできなくなってしまうトラブルが増えています。これは、今後益々問題として大きくなりそうです。

そこで、仮想通貨取引をやっている人が、自分の保有している通貨をどこにどのように保存しておけばリスクをミニマイズできるのか?そんなテーマで専門家の人を招いて具体的な方法を聞いてみたいと思い、企画することにしました。私自身も知っておきたいテーマです。実際に開催が決まったら、いつものように資産デザイン研究所メールで先行案内いたします。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年1月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。