サハラ砂漠の入り口、アルジェリアの人口3万5000人の都市アイン・セフラで今月7日、砂漠が10センチから15センチの厚みの雪で覆われた出来事は日本でも報道された。場所によっては40センチも積もった所もあったという。
砂漠で雪が積もるというのは異常現象である。しかも、サハラで今回の積雪が初めてというのではない。1979年に最初の積雪があって以来、2016年12月と2017年1月に続いて、今回2018年1月にまた積雪となったのである。この3年間、積雪が繰り返されたということだ。
世界の報道メディアは、この雪化粧を多くの人が愉しんでいる姿を伝える内容になっている。が、氷河期が近づいているということを感知させる報道はほとんど見当たらない。
スペインでもアンダルシア地方のマラガ市も同じく今月8日、海抜900メートル以上の山が雪で覆われるという現象が起きた。そして市内の気温は摂氏氷点下1度まで下がり、雹も降ったという。
マラガは暖かい地方だ。最近の夏場は気温が40度を超える日も登場するようになっているマラガで、降雪が記録されているのは1954年2月に一度あった。更に時代を遡って降雪が記録されているのは1882年だという。
スペインでも寒暖の差が極端になり、四季の春と秋が無くなり、夏と冬だけになってしまったようである。そして、異常気象も多発している。
特に、地球の温暖化に焦点を絞って、その影響を報道するメディアが増えている。
しかし、現実は温暖化ではなく、地球は氷河期に向かっているというのが正解であるように筆者には思える。
その予測を自信をもって2015年に発表したのが、英国のノーサンブリア大学のバレンティーナ・ザルコバ教授であった。この予測は日本でも既に報道されている。彼女が中心となって調査した研究グループによると、2030年から2040年にかけて地球はミニ氷河期に突入するというのである。その期間は太陽の黒点の数は通常の5万コから僅か50コにまで減少して太陽の活動が低下するとしている。この現象はマウンダー極小期と呼ばれている。この現象によって地球に届く太陽風が弱くなり、宇宙線が地球まで容易に到達するようになって、それが太陽光を反射させて地球が冷えるというわけである。
この研究グループによると、この様な現象はヨーロッパで17世紀後半から18世紀初めに起きたとしている。当時のヨーロッパそして北米は酷寒でテムズ川やドナウ川は凍り、モスクワは半年毎に凍結し、グリーランドは氷河で覆われていたという。
そして、このミニ氷河期が到来する確率は97%としている。仮に、この予測が的中すれば、全地球で深刻な食糧危機に見舞われるようになるのは必至である。日本も17世紀は大飢饉を経験している。
しかも、ヨーロッパと北米の寒冷化をさらに促進させるようになる理由は、この寒冷化の影響で、北大西洋の海水温が非常に低くなるからである。その為、これまで暖かいメキシコ湾からの暖流が北大西洋の異常に冷たい海水に邪魔されて北上しなくなるという可能性があるとされている。それによって、ヨーロッパと北米の氷河期への突入を促進されると考えられている。
更に懸念されているのは、これが引き金となってミニ氷河期が長期化する可能性がないとは言えなくなるというのである。
これから先、僅か15年以内に到来するであろう氷河期のことを想像すると、サハラの雪化粧を愉しんでいる場合ではないのである。事態は深刻な方向に向かっているかもしれないのだ。