私は谷垣さんに期待していた一人なので、谷垣さんが自民党の総裁選挙に出馬するチャンスを逃してしまった時には少々残念な思いに捉われてしまった。
私が見る限りにおいて、谷垣さんはいい人で決して危ないことには手を出しそうにない、自民党の中で最も信頼できる一人だった。
いわゆるいい人は権謀術数には疎く、権力闘争はどうも苦手なようだが、こういう人が組織のトップに立つとまず、組織の和が乱れることはない。
しかし、いい人は大事なところでチャンスを逃してしまうことがしばしばある。
いい人は基本的に争いを好まず、自分のことは何でも後回しにしがちで、結局チャンスを逃してしまう。
いわゆるトンビに油揚げを食われてしまうタイプである。
なんだか岸田さんにもそういう傾向がありそうだ。
岸田さんも、谷垣さん同様、いい人の雰囲気を存分に醸し出している。
もう少し闘争心を剥き出しにしてもいいのに、と思うが、実に上品だ。
その上品さをかなぐり捨てる必要はないが、もう少し力強さを見せた方がよさそうである。
岸田さんが本気を見せれば、自民党の中に緊張感が漲るはずである。
機先を制すべし。
岸田さんには、そう申し上げておく。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年1月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。