政党支部の香典支出は悩ましい問題

香典問題がクローズアップされた茂木敏充衆議院議員(経産省サイトより)

偉くならないつもりだったら、そう大して気にしなくていいのかも知れないが、トップに上り詰めようと志を立てた人には、くれぐれも危ない道を歩まれないようにアドバイスをすることにしている。

公職選挙法は禁止事項がいっぱいで、捜査当局の判断次第で選挙違反の嫌疑を掛けられたり掛けられなかったりするところがあるので、まずは警察当局がどういう事案を摘発の対象にしようとしているかを察知する必要がある。

軽微な違反でも現場の判断で選挙違反だと認定されてしまうと、裁判官がボンヤリしていると令状がそのまま発布されて、捜査当局による強制捜査が始まってしまう。

選挙違反の摘発は警察では得点が高いと言われているようで、上昇志向の強い人が選挙違反取締の現場の責任者にでもなってしまうと、それまでは見逃されていた軽微な選挙違反が本格的な選挙違反捜査の取っ掛かりとして取り上げられることがある。

まあ、くれぐれもお気を付けて、としか申し上げられないのだが、一度どこかの裁判所で有罪の判決が下されると、それが先例となり、全国の警察当局が同種事案の検挙に熱心になるという傾向がある。

こういうことは、選挙管理委員会に聞いても教えて貰えない。精々が、疑いがあります、ぐらいだ。
選挙違反取締の経験がない弁護士に相談しても、こういうことについての本当の答は得られないと思っておかれた方がいい。

選挙区支部という政治団体の名前で香典や線香を配ったことが問題になって来ているが、選挙管理委員会の感覚では、まず選挙違反と認められる疑いがあります、くらいになるところだろう。

実に悩ましい問題である。

さて、皆さんは、どうされているだろうか。
私が存じ上げている方は、一切香典は持参されないことにされたようだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年2月3日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。