マイナーフルーツ晩白柚がこれからブームになると思う理由

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

あなたは晩白柚(ばんぺいゆ)というフルーツをご存知でしょうか?おそらく多くの人が「聞いたことがない。何だそれは??」という反応を示すのではないでしょうか。「食べたことがある」という人はかなりのグルメか、もしくは熊本で育った方ではないでしょうか。というのも晩白柚を知らない理由は生産地の96.41%が熊本県産(農林水産省統計 2014年実績)という「熊本県のローカルフルーツ」だからです。

長らく日の当たらなかった晩白柚ですが、今注目を集め始めています。私は今後、マイナーフルーツ晩白柚がどんどんメジャーになっていくと考えています。

ギネス記録も持っている晩白柚の特徴とは?

独自進化し、今や世界一品質が高くておいしいと評される日本の果物。実は数々のギネス記録を持っています。2015年には通常の10倍も重い あまおうが収穫され、「世界一重いいちご」としてギネス認定されました。また、「世界一糖度の高い桃」として記録を打ち出したのも日本人が育てた桃なのです。

そしてこの晩白柚についても「世界一重量のあるザボン(柑橘)」としてギネス記録を持っています。2015年に正式にギネス認定された晩白柚の重量はなんと4.8kg!両手 で持ってもズシリと来る驚くべき重さです!また、重いだけではなく、晩白柚は「世界一大きい柑橘」であり、大きさも重量もともに「柑橘フルーツナンバーワン」の座にあるのです。

「でも大きいだけで味は大味?おいしくないのでは?」と思っていないでしょうか?実はそんなことはありません。晩白柚は確かに大きいのですが、その味は繊細そのもの。柑橘果物の中でも果汁が少なめで、果肉をかじると「サクッ」と音が出るような小気味よい歯ざわりがたまらない食感です。それが他の果物にはない良さでもあり、やみつきになってしまう方もいるほどです。糖度は12度前後で爽やかさっぱりした程よい甘さで、酸味と甘味の絶妙なバランスを楽しめ、甘酸っぱい良い香りが漂います。

当店でもマスクメロンを贈る代わりに、あえて晩白柚をプレゼントするお客さまがおられます。箱を開けるとふんわりと柑橘の良い香りが漂い、部屋に置いておくだけで鼻を楽しませてくれる素敵なプレゼントです。

テレビ番組の「鉄腕ダッシュ」にも出演!

画像は鉄腕ダッシュで紹介された肥後庵の晩白柚

2月4日19時放送の鉄腕ダッシュ「0円食堂」にて晩白柚が紹介されました。このコーナーは必要がなくなって捨てられてしまう食材を探し、手間ひまかけておいしい料理に変身させよう!という企画です。先日の放送では熊本県の食材が取り上げられ、晩白柚を使った柑橘ティーや砂糖漬けが紹介されていました。

晩白柚は捨てるところがないフルーツと言われています。果肉はもちろん、内側の皮を煮込んで砂糖漬けにしたり、外の皮はマーマレードに調理することでおいしく食べられます。また、柑橘の良い香りが漂うので、皮をむかずに部屋に置いておくとアロマになり、お風呂に浮かべて「晩白柚風呂」としてお客さんを集める温泉もあります 。

晩白柚は今後メジャーになっていく可能性を秘めている

これまでは地元、熊本県でのみ楽しまれていた晩白柚ですが、私はこれからどんどんメジャーになっていくと見ています。その理由を食品のEC(ネット通販)市場規模の拡大と、EC化率の上昇で説明します。

食品は市場規模が14兆円もあるのに、EC化率(ネット通販で買っている割合)がまだまだ低く、わずか2.25%しかありません。下記のグラフを見てもらうと、食品の市場規模はアパレル・ファッションに次ぐ大きさがあるのに、EC化率はとても低い数値となっています。

※グラフは「【2017年版】国内EC市場のEC化率まとめ|BtoBとBtoC」よりデータを引用して筆者が作成。

これはどういうことかというと、ほとんどの人は食品をネットではなく、スーパーなどのリアル店舗で買い物を済ませているということです。しかし、今後はこの状況は大きく変わってくるでしょう。昨年はAmazonがホールフーズマーケットを買収し、Amazonフレッシュサービスを始めるなど、食品市場をオンラインで展開する試みが大きな話題を呼びました。また、EC市場全体では右肩上がり成長を続けており 、これまで低かった食品のEC化率も伸びていくものと見ています。

これまで日の目を見ることのなかったローカルフード・晩白柚は鉄腕ダッシュを始め、他にも雑誌やネットメディアなど様々な媒体で取り上げられるようになってきました。小売大手のイオン社も日本国内はもちろん、香港などでも晩白柚フェアを開催しており、年々その知名度を上げてきています。

知名度アップと、食品の通販市場拡大の波に乗ることができれば、晩白柚は日本全国津々浦々まで配送されることになります。実際当店では近年、晩白柚の売上が右肩上がりにぐんぐん伸びています。特にこの冬の時期は過去最高の売上を記録しています。

私はどこかで大きな晩白柚ブームが来て、メジャー選手になれることを期待しています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。