シェアリングエコノミーの波が投資の世界にもやってきた

内藤 忍

シェアリングエコノミーが世界的に急速に広がってきています。UBER(ウーバー、配車サービス)やAirBnB(エアビー、宿泊サービス)は国内でも、既得権益者と戦いながらジリジリと認知を高めています。

投資の世界でも、このシェアリングエコノミーの波に対応していくことがこれから益々重要になっていくと思っています。

昨年から開始した簡易宿所「SHINOBY`S INN 中野新橋」の運営はその一例です。中野新橋のメゾネットの居住用施設を改装し、違法民泊ではなく合法施設として貸し出しています。100平米近い広さと、駅から徒歩2分で、新宿まで丸の内線で最短6分という利便性から、特に大家族の外国人旅行者に利用されています。

認知度が上がり、レビューが増えたこともあり、稼働率が急上昇しています。現状では、レジデンス物件として通常賃貸するよりも、2倍から3倍の収益になっており(諸経費差し引き後)好調な運営となっています。ポイントは、ニーズのある場所に、ニーズのある間取り。そして、管理を委託する会社の運営能力です。

銀座で4年目に入ったSHINOBY`S BAR 銀座も営業は平日夕方からだけで、週末はカフェとなっていますが、それ以外はスペースが空いています。そこで、スペースマーケットという時間貸しのサービスを利用して、希望者にこちらのサイトから1時間3000円から貸し出しをしています。食べ物やドリンクを持ち込んでのイベントや、打ち合わせなどに使われているようです。

そして、最近注目しているのが、キャンピングカーのレンタル事業(写真)です。

私のようにアウトドアでのアクティビティに縁のない人の中にも、キャンプに興味を持っている人は多いはずです。ところが、テントで寝ることに抵抗があったり、どうやって準備して、どこに行ったら良いかわからないから、大半の人は結局断念してしまうのです。

本格的な趣味としてキャンピングカーを保有するのではなく、数日借りて、アウトドア体験をしてみたい。ただし、できるだけ手間のかからないカジュアルな方法で。そんなニーズは高いと思いました。であれば、シェアリングエコノミーの対象となり、投資商品として成り立つ可能性が出てきます。

旅行という非日常体験を求める楽しみの中で、ありきたりのホテルや旅館に宿泊するのではなく、たまには自然の中に車で行って、自分たちで食事を作り、時間を気にせず語り、非日常の宿泊を体験する。これからニーズが高まりそうです。

という訳で、また投資の新しい「人体実験」が始まりそうです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年2月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。