佐川氏が逮捕も起訴もされないというとっておきの嘘

破棄したはずの決裁文書が残っていた、というのだから、財務省理財局の一連の行為は違法かつ不法な行為であることは明らかだが、しかし、公文書の毀棄そのものには当たらないかも知れないな、と思っているところである。

佐川氏や佐川氏の部下にはそれこそ一時的にでも決裁文書を破棄する意思があったのだと思うが、どうやら決裁文書そのものは近畿財務局に保管されていたようである。

財務省は、国会議員や会計検査院に対して一見決済文書のように見える体裁をした文書のコピーを提出したことは事実としてあるようだが、さてこれらの行為を、刑法上のどんな犯罪として立件すべきか、という問題がありそうだ。

法律の実務家や学者の方々にとっては結構重要な論点になりそうだが、私は、公文書の偽造や変造という一点に絞ってこの問題を考えることはどうも問題の本質から遠ざかることになりかねないな、と思っているので、この問題には深入りしないが、インターネットを見ていると、佐川氏は逮捕も起訴もされないらしい、という噂が永田町の一部で出回っているそうだ。

今日は、4月1日、エイプリルフールだが、こういう噂はあっという間に世間に拡がる。
噂が拡がると、世間にはそれなりの相場観が出てきて、結局は噂どおりの結論になってしまう、ということが結構あるので、今のうちに釘を刺しておく。

公文書の偽造や変造という文書犯罪に矮小化することなく、ここは国会や会計検査院の業務を偽計によって妨害した偽計業務妨害罪として立件すべし。

財務省の理財局が組織ぐるみで、一年近くも国会や会計検査院、ひいては国民を騙してきた、という重大犯罪である。
絶対に見逃すべきではない。

検察が佐川氏を逮捕も起訴もしない、などという噂は、私は絶対に信用しない。

今のうちに、そう書いておく。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年3月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。