小学校から高校までは、授業が50分くらいで休憩が10分、昼休み45分くらいだったと記憶している。
大学では、教養課程が90分授業で法学部が110分授業刻みになっていた。
続けて講義がある場合の空き時間が、10分だったか15分だったか等は記憶がない。
ところが、社会人になったとたん、朝の8時50分から昼休憩までエンドレスで、昼休憩が終わると夕方定時までこれまたエンドレスになったのに、私はかなり戸惑った。
それまでは、授業でも独自の勉強でも小刻みに休憩を入れていたからだ。
労働基準法34条1項は以下のように規定している。
使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少なくとも四十五分、八時間を超える場合においては少なくとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
そして、2項で「一斉付与」を原則としているので、8時間労働の場合、通常は昼休み45分を挟んで午前と午後はエンドレスで働くことになる。
フレデリック・テーラーの「科学的管理論」によると、頻繁に休憩を取って銑鉄運搬作業をさせた人間が1日47トンの銑鉄を運ぶことができたそうだ(他の作業員は1日12トンしか運べなかった)。
驚くべきは、彼には1時間のうち26分が作業に、34分が休憩に当てられていたということだ。
トータルの休憩時間がトータルの作業時間より若干多い作業員が、他の作業員の約4倍の仕事量をこなしたのだ。
デスクワークであっても、せめて学校と同じ頻度と時間くらいの休憩を入れるのが作業効率を高めるのに役立つはずだ。
受験勉強をやっていても、多くの人たちは1時間や50分に1回くらいの割合で休憩を入れていただろう。
午前と午後それぞれ4時間ぶっ通しで勉強し続けた人の多くは、学習効率が上がらなかったはずだ。
とはいえ、オフィスに時間割はないし、とりわけ接客業などだとこちらの都合で休憩時間を勝手に取るわけにもいかない。
今年の新入社員諸氏の中には、私のように、このエンドレスな仕事時間に戸惑っている人たちがいるかもしれない。
迷うことはない。
1時間に1回くらい要領よく休憩をとるようにしよう。トイレに立つなどして集中力が切れるのを防ごう。
休憩は決してサボリではない。
仕事効率を高めるために必須の要素なのだから。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年4月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。