安倍政権がモリカケで追い込まれているというのに、野党第1党である立憲民主党の支持率が伸び悩んでいる。世論調査ウォッチャーのはる氏のように、これを「誤差の範囲」だとして擁護する向きもあるが、第2次安倍政権が発足以来、もっともピンチに陥っているのに、支持率が伸びるどころか、NHKの世論調査で前回比1.7ポイントダウンの8.5%と2桁を割り込んだのは、コアの支持層を除いて国民的にはほとんど期待されておらず、昨年の衆院選で躍進した勢いが全く感じられない。
政権担当能力に対してほとんど期待されていないからであろうが、所属議員のスキャンダルが相次いだ影響がボディブローのように効いているのではないか。財務省の件で安倍政権が炎上しはじめたのと同じタイミングで、山尾志桜里氏(衆院愛知7区)の不倫騒動が再燃。昨年、週刊文春がお相手として報じた弁護士の元妻が山尾氏に対し、不貞行為があったとして訴える構えをみせたことでワイドショーで一時取り上げられた。
さらには、これも同じく文春で昨年セクハラ疑惑を報じられた青山雅幸氏(衆院比例東海、党員資格停止中)に対し、同党所属の東海地区の女性地方議員らが議員辞職を要求。しかし同党は、被害者の元秘書との和解が成立したことを理由に応じない方針を示したという。
立民“セクハラ問題”軽視か 青山雅幸議員の辞職要求拒否「被害者とは和解」で突っぱね(夕刊フジ)
立憲民主党の公式サイトにある政策集の「共生社会」のくだりには、「性暴力被害者の心と体を守るために適切な支援ができる体制をつくります」と有権者に誓っているが、党内のセクハラ騒動に決然とした対応ができないようでは、言葉の響きはまったく虚しい限りだ。これではダブルスタンダードという誹りをうけても当然だろう。
セクハラといえば、財務省の福田淳一事務次官が女性記者らに「胸触っていい?」「予算が通ったら浮気するか」などと発言したと、週刊新潮が報道。麻生財務相は、13日時点では、処分しない意向を示した。
しかし、そこは昨年、女性議員(当時)の「このハゲ〜」のパワハラ発言の録音を公開した新潮だ。今回もここぞとばかりに切り札の録音をYouTubeにアップした。
決裁文書改ざんとは関係ないとはいえ、この決定的な証拠が出ても麻生大臣は処分しないというのだろうか。安倍政権下の省庁トップによる不適切な行動といえば、前川喜平氏が文科事務次官在任中に「出会い系バー」に通いつめていたことが明らかになったが、前川氏は在任中に杉田官房副長官から注意を受けたことが明らかにされている。追い討ちをかけるように読売新聞が「出会い系バー」通いを特報した背景にも、政府中枢からのリークがあるとみられているが、前川氏の素行を問題視する一方で、この福田氏のセクハラ発言を放置するようでは、これもまたダブスタではないのか。
支持率が伸び悩む立憲民主党、スキャンダルの泥沼にはまりこむ財務省(安倍政権)。法治国家である以上、ルールに基づいて公平公正に対処できないようでは、いつまでも国民からの信頼は取り戻せない。