こんにちは!肥後庵の黒坂です。
日本農業新聞の記事によると、国土交通省は英語案内以外のインバウンド対策が示したようです。実際、近所のJAや道の駅の店舗へいくとインバウンド向けのサービスに気合が入っているのを感じます。
インバウンドマーケティングというと、英語案内が真っ先に思い浮かぶと思うのですがそれだけではありません。
外国人観光客の最大の敵は「荷物」
私が住んでいるここ、熊本県でも多くの外国人観光客の姿が見られるようになりました。青い目をした金髪の観光客はひと目で分かるのですが、「これから仮装パーティーにでもいくのか?」と思うような、派手な格好をした人が突然中国語を話し出すのを聞き、「ああ、中国人観光客だったのか」と気づくことなどはよくあることです。一見日本人と思っても実はアジアの隣国から来ているという場合も少なくありません。
さて、そうした外国人観光客は地方にも遊びに来ているのですが彼らにとって最大の敵はなんと言っても「荷物」です。彼らは時々、ものすごく大きなリュックとスーツケースをいくつも持っていたりします。そんな重装備では、これ以上ものを買うのは無理なのでは?ということは容易に想像がつきます。本当はもっとあれこれ買いたいのに、手元の荷物が多いのでそうはいきません。大きくて重い荷物を持って日本を旅行するのはかなり大変なことです。そして困るのは彼らだけではなく、お出迎えする日本のお店側だったりするのです。しかし、外国人観光客にとっては、日本語はかなり大きなハードルです。
こうした荷物問題を解消するために立ち上がったのは、物流や旅行会社各社で、LUGGAGE-FREE TRAVELというサービスを提供し始めました。これはオンラインで簡単な手続きをするだけで、全国の主要な宿泊施設や空港に荷物を送り彼らは手ぶらで日本観光が出来る、というものです。こうした施策はさらなる購買行動につながるでしょうから、ラクラク日本を観光できる彼らも、商売をする日本側も両者がWin-Winになる素晴らしい施策です。
JAや道の駅でも手ぶら観光支援
また、同じような荷物お預かりサービスをJAや道の駅でも始めるというのが今回の記事で紹介されています。
道の駅などの直売所に受け付けカウンターを設置し、購入した商品を次の目的地や海外へ配送する他、一時預かりする取り組み。
(中略)
条件を満たした民間事業者は、同省の「手ぶら観光ロゴマーク」が掲示できる。さらに受け付けカウンターや外国語での案内標識の設置にかかる費用の3分の1の助成が受けられる。補助事業への応募は、最寄りの地方運輸局に書類を提出する。
とあり、同省の補助を受けられる格好となっています。これにより、地方を旅する外国人観光客の荷物お預かりサービスの受け皿となるわけです。外国人観光客のケアを都心だけで行っているのでは、彼らも利便性が良い都会を中心に観光をするでしょう。地方でも受け入れ体制をしっかりと整えていることをPR出来れば、客足を呼び込む契機になるでしょう。
駅のコインロッカーは外国人には不親切だった
日本の外国人観光客の荷物お預かりに応える基盤は、これまで盤石とは言えない状況でした。「駅ナカにはコインロッカーがあるではないか?」と思われるかもしれませんが、これが外国人観光客にとって不便だという声は少なくなかったようです。
小銭に両替できる場所が少なく、また対応しているICカードはSUICAやPASMOが多いので日本人には馴染みがあっても彼らにとってはかなり使いにくいでしょう。不慣れな土地の人通りの多い駅で大型コインロッカーの空きを見つけるのは簡単なことではなく、また地元ではありませんからどのロッカーに入れたのかも分からくなってしまう恐れがあります。駅のコインロッカーでは荷物お預かりになっていなかったということです。また、そもそも地方には東京の駅のようなコインロッカーがありませんから、これまでは荷物がいっぱいになったらそこで買い物が打ち止めになっていたわけです。
JA・道の駅の荷物お預かりサービスが、地方消費に一役買ってくれることを期待しています。