フローレンスは15年前の創業当初から、喫煙者の入社はお断りさせてもらっています。
理由は、「保育という子どもに直接接する仕事で、子どもに受動喫煙被害を与えたくないから」です。
で、最近フローレンスのように「喫煙者ごめんなさい」企業のカミングアウトが増えてきています。
Teck-Campさんのカミングアウト
https://buff.ly/2KqxGTR
インフルエンサーの 永江 一石 さんも、以下の記事で喫煙者非採用について、エビデンスに基づいて賛同しています。
「喫煙者は今後一切採用しないのTeck-Campは正しい経営判断をした。」永江一石のITマーケティング日記
https://buff.ly/2HDj161
記事を読むのが大変、という方は、この2枚のグラフを見るだけでも、企業の損失が数値で理解できます。
法的にセーフか
さて、こうした判断について「喫煙者差別になるので、法的にアウトなのではないか?」というご懸念をお持ちの経営者の方もいらっしゃると思います。
そこで、J-CASTニュースが良い仕事をしてくれているので、紹介します。
「喫煙者は採用しません」とIT企業社長が宣言 これは差別?厚労省の見解は…
https://buff.ly/2FYUsPk
厚労省から、言質を取ってくれています。
「職業安定法など法律上の問題はありません。ただ、憲法22条で職業選択の自由を保障していますので、一律に喫煙者だから応募不可とはできません。客にタバコの煙が嫌われる、分煙設備の設置費用がかかる、企業が責務として健康増進に取り組む、といった合理的な理由があれば、差別などには当たらないと考えています」
ということで、合理的な理由があれば、「喫煙者採用しません」はOKなのです。
保育・教育業界に広がれ
様々な価値観があるかと思いますが、僕は個人的には、少なくとも保育や教育等、子どもに直接触れる保育士や教師等が喫煙者であるべきではないと思います。
受動喫煙によって、子ども達に突然死を引き起こすSIDSの割合は4.7倍。喘息の入院率は約1.5倍。読解力を中心とした子ども達の知能も低下させる悪影響も実証されているからです。
たとえ子どもの前で吸わなくても、喫煙後30分は呼気から有害成分が出続けます。
https://buff.ly/2KKhtZU
また、三次喫煙(サードハンドスモーク)と言って、衣服や髪の毛についた有害物質が、子ども達の健康に悪影響を与えることも研究で示唆されています。
https://buff.ly/2FZgHo7
よって、子どものことを思うなら、喫煙者が直接子どもに仕事として継続的に関わることは、子どものためにならない、と言えるでしょう。
そして、企業や団体の姿勢として、従業員の完全禁煙を掲げるべきだと思います。
この動きが、子どものことを真に思う企業や団体に広がってくれることを、切に願っています。
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年5月9日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。