柳瀬氏は公務員の鑑と言うべきだろう

衆議院インターネット中継より:編集部

この先、柳瀬氏にどういう運命が待ち受けているのか分からないが、柳瀬氏はまさに公務員の鑑とも言うべき優秀な官僚の一人だということは認めておきたい。

優れた官僚は、決して上司を貶めるようなことはしない。
自分に与えられた仕事は、完璧にこなす。
しかも、決して矩を超えない。

柳瀬氏が首相秘書官としての仕事を忠実にこなしていたことは、愛媛県の文書から十分感得出来る。
見事なものである。

加計学園の年来の願望である獣医学部新設を如何にして実現するかという方策のあれこれについて実に懇切丁寧に指導しているが、その一つ一つが極めて的確で、柳瀬氏のアドバイスは加計学園にとっても、愛媛県にとっても、今治市にとっても天からの慈雨のように受け止められただろうと思う。

首相秘書官がそう言っているのだから、そのとおりに動いていれば必ずいい結果が出津だろうと思わせるようなありがたいアドバイスである。

へー、首相秘書官ってこんなに親切なの、と驚いてしまうほどだが、如何なるコンサルタントのアドバイスよりも柳瀬氏のアドバイスには価値がある。

現に愛媛県や今治市、加計学園は柳瀬氏のアドバイスどおりに動いたおかげで獣医学部の新設が認められたのだから、柳瀬氏のアドバイスが如何に的確だったか、ということが分かるはずだ。

さすがに、首相秘書官は有能である。

私なども時たまこの種の相談を受けることがあるが、私にはここまでの絵図は描けない。
当らずとも遠からず、ぐらいのアドバイスは出来ても、肝腎のところで大事な知恵がないから、私のアドバイス通りに動いてみてもまず結果は出ない。

官邸で3回も加計学園の担当者と会っていたようだから、柳瀬氏のアドバイスはそれこそ微に入り細にわたって的確なポイントを突いていたということだろう。

何故そこまで親切にアドバイスをされたのだろうか、という疑問は残るが、柳瀬氏はそこまでするのが首相秘書官としての自分の役割だ、と思っていたのかも知れない。

柳瀬氏が安倍総理から重用されるのは、不思議でも何でもない。

物事は斜に構えた方がよく見えることがある

真正面からだけ見ていると物事の本質がよく見極められないことが多いので、私はしばしば横からや後ろから物事を眺めてみる。

案外役に立つのが、斜に構えてみることである。
光線の当て具合で、それまで良く見えなかったものが浮き彫りになって見えてくるように思える瞬間がある。

加計学園については、官僚の皆さんには特に非難されなければならないようなことはないようだ。
安倍総理についても然り。

何となくみんなで情報隠しをしたことが間違いで、どなたも悪いことはしていない。

下手に隠し立てをしたから大騒ぎになった、というだけで、最初から本当のことを言っていれば、あ、そう、そうだったの、で終わりになったことかも知れない。

結果的に安倍総理の無二の親友の加計幸太郎氏が獣医学部の新設という大きな成果を勝ち取ったが、だからと言ってそれが間違いだった、ということにはなりそうにもない。
加計幸太郎氏本人からしっかり説明を聞いてみたいと思うが、聞いたらそれでお終い、となる話である。

まあ、森友学園の方はそうは簡単に行きそうにないが、加計学園の方はそんなに長く引き摺るような話ではなさそうだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年5月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。