動画は共同通信YouTubeより(編集部)
いま問題になっている日大アメフト部の悪質プレー、動画を見てみましたが、これはひどい。
完全にボールを投げ終えた選手の背中に、ヘルメットから当たりに行っている。
「『敵』に対しては何をやってもいい」
という発想なら、日大アメフト部には二度と試合をする資格はありません。
アメフト「危険タックル」はチームの指示か 日大は否定も現役選手は「違和感」 : J-CASTニュース
Facebookで武術の話を書いたところ、「リミッターを外す」議論になりました。
イスラエル発の格闘技「クラヴマガ」では「リミッターを外せ」と教えるが、練習で本当にリミッターを外す人がいると、ついていけなくなる…というご意見。
納得です。
『秘伝』2017年9月号には、女性専用護身術「モデルマギング」が紹介されてます。
心理的抑圧を受けがちな女性に「リミッターを外す」練習をしてもらうために、やられ役「マガー」に20kgものプロテクターをつけた上で、リミッターを外した全力攻撃を行います。
女性でも、リミッターを外せば相手は吹っ飛びます。
これくらいのことをやらないと、リミッターは外せません。
リミッターを外すということは、相手を「同じ人間」とみなさず、完全に相手を「抹消する」モードに入るということです。
しかし、我々は人間社会に生きてるのですから、「練習」や「試合」でリミッターを外すことなどできません。
よく「試合」と「死合」を書き分けたりしますが、音が同じでわかりにくいのと、必ずしも「死」が前提ではないので、「試シアイ」と「消シアイ」という書き分けを提案します。
「試シアイ」は、何度も繰り返し「試す」のが前提。
「消シアイ」は、「次はない」前提で相手を「消す」のが目的です。
アメフトは、言うまでもなく「試シアイ」です。
相手チームが「試シアイ」のつもりで、ルールと試合相手を尊重するプレーをしているところに、一方的に「消シアイ」を仕掛けるのは、スポーツにおいて最も恥ずべき行為です。
もしチームぐるみならば、永久追放相当と思います。
リミッターを外して相手を「消す」のは、相手を「同じ人間」と思ってたらできません。
相手は『敵』。
相手は『自分と同じ人間じゃないもの』。
相手は『抹消して構わないもの』。
こういうマインドにならなければ「消シアイ」はできません。
しかし昨今、この「相手は同じ人間ではない」という勝手な前提のもとメチャクチャをやる、こういう風潮がまかり通ってはいないでしょうか。
「我も人なり、彼も人なり」。
この当たり前のことがわからない社会なら、滅ぶ日も遠くないでしょう。
私は、日本社会をそんなことにしたくありません。
中妻 穣太 東京都板橋区議会議員
1971年仙台市生まれ。早稲田大学卒業後、家庭用ゲーム制作、ネットワークエンジニア、ITセキュリティエンジニア、携帯電話網エンジニア、ITコンサルティングなどに従事。2008年より、民主党衆議院議員・長妻昭事務所にて、ボランティアやアルバイトとして働き、2011年4月、板橋区議会議員選挙に初当選。現在2期目。
編集部より;この記事は、板橋区議会議員・中妻穣太氏のブログより2018年5月15日の記事を転載させていただきました。中妻氏に心より感謝いたします。オリジナル記事をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。