大相撲、レスリング、アメフト、都ファ…パワハラ体制に共通するもの

恐怖体制は人間を委縮させる

5月22日日大アメフト部選手の記者会見(動画ノーカット版はこちらSankeiNewsより)は胸がいっぱいになり、昨年の今頃、当時の都民ファーストの会代表、そして当時も現在も税金で知事並給与1千4百万円が贖われる特別公務員である野田数東京都特別秘書がまさに東京都議選の公認権を盾に権勢をふるっていたことが思い出された。

私が代表を務める地域政党自由を守る会も再三再四野田氏に、些細なことをあげつらい、選挙直前公認を出さないぞという半ば脅しに近い、選挙直前の候補の足元につけこみ解党を強要された。小池知事の選挙前演説会の日程も、会場を抑え地域住民に広くよびかけをしなければならないのに、他の候補の日程は続々と決めていく中、ギリギリまでわからないと、支援者に心配をかけ、嫌がらせとしか取られかねない対応をされていた。挙句、公認欲しい民進系メンバーが野田氏を囲んでの六本木のクラブでの饗宴も週刊誌報道にもなった。

「「小池新党」を牛耳る最側近の「六本木ハレンチ豪遊」」(Newsポストセブンより)

一生忘れ得ぬ苦々しい思い出だ。今も知事並みの給与をもらい党内政治に口出しているかと思うと虫酸走る思いだ。(「リストラするなら特別顧問より年収1.4千万円特別秘書が先?!」ご参照)

日大アメフト選手が「自分が、監督への恐怖心から怪我をさせてしまった。自分の責任」と、力なく真摯に関西学院選手とご家族に陳謝していたが、恐怖政治の環境の中で勇気を奮い立たせることはいかに困難なことだろうか。全体主義的ファシズム文化の中では、ハンナ・アーレントの言う「思考停止」に、人々はなってしまうものだからだ。アーレントは、個人には罪はないということを、『イェルサレムのアイヒマン~悪の陳腐さについての報告』で著している。

普通の役人が、ヒトラー率いるナチスの指示に従い思考停止で、忠実にユダヤ人をホロコーストに送りこみアウシュビッツでの大量殺戮を結果的にしでかしたわけで、極悪人ではなかった…。もしも拒否したら、アイヒマンもナチス親衛隊らにに粛清、処刑されたであろうから。猛烈な批判に遭いながら彼女はこの政治哲学を翻さなかった。彼女も命からがらナチスドイツの魔手から逃れたからだ。

案の定、「日本代表に出るな」と当該選手を監督は脅していたという。恐怖政治が跋扈する組織における、逃れられぬ立場の弱者に強いる常套手段だ。都議選前、あれだけの、しかも私が一翼を担ったた東京都知事選グリーン革命の風のなかで支援者もいるのに、都民ファーストを出ること当時は私には無理だった。

当時上田は、かがやけTokyo幹事長、自由を守る会代表として他党が他候補を支援する中、小池百合子氏に唯一推薦・支持を出していた。

勇気が守られるには

逃げ出すことが到底かなわない、無理だとわかるから独裁者、ファシストという者はニヤニヤ笑いながら弱みと殺生与奪を握っている者を脅すものだ。私は、都民ファーストの実態を知る者として、政策協定を結び連携を図る国政政党希望の党の支持が上がっている中で、「全体主義が台頭しまいか、自由主義・日本の危機だ、もはや思考停止は出来ぬ!」と、ようやく勇気が出せ都民ファーストを離党することができたのだ。それは、都議当選後自由を奪われ、発言権を奪われ、調査権も奪われ、排除人事、粛清体制に苦しんでる私へ「お姐さんらしく生きて。自由な議会活動を。応援してるから!」と、沢山の地域住民のエンパワメントがあったからだ。おときた駿都議と私の離党以降、都民ファーストの会は変わったのか。

言論プラットフォーム「アゴラ」に投稿した都民ファーストの会、鈴木邦和都議の投稿が削除されたことに関して、5月1日アゴラ側は「都議のブログ削除:都民ファーストの会の言論統制に抗議する」と、こうしたネットメディアには珍しい苦言を呈した。その後、当該ブログは、アゴラで再掲されたものの「掲載を取りやめさせた理由の開示」について都民ファーストの会からの回答はなく、アゴラは「鈴木都議のブログ削除問題:岐路に立つ都民ファーストの会 」の中で「都民ファーストがただの「小池親衛隊&民主党ゾンビ」で終わるのか、188万人の都民が「ふるい議会をあたらしく」と念じた理想を追求し続けるのか、最大の岐路である」と厳しく指摘をしている。

私も「中から(都民ファーストを)変えるべきだ」という指摘を離党の際に、そして今も受けている。しかし、ハラスメントや傷害事件が起こった時は警察や外部機関が調べるように、勇気を出す前提条件として客観性と安全性な場が必要なのだ。レスリングも大相撲もハラスメントや暴力については、同様に外部組織に調査が委ねられた。レスリングにおいてはパワハラが認定された。今回の記者会見も外国人記者クラブという言わば、治外法権的な場で行われたのは、日本の悪しき権力・権威文化の及ばぬ所を、当該選手とご家族は選ばれたのだと拝察している。

私も、かつて、同僚議員がセクハラ発言を受けた際、外国人記者クラブでの会見開催を手配した。ハラスメントが横行する組織は中から変えられない。アイヒマンのように「思考停止」となり従うか、潰されるだけだからだ。勇気を出して、理不尽を訴えるのは、権力の及ばぬところで安心して発言できる場の確保が、肝要なのだ。逃げ出すことも大切、逃げていいし、逃げ場を用意すべきなのだ。
中からは変えられない。

人間の尊厳と自由を守る政治を

まず、なんの咎もなくスポーツマンシップとルールを守り試合に出場していたにも関わらず負傷を負った関西学院選手に心からお見舞いを申し上げます。

そして、権威と立ち向かい、しかし指導者を責めず自分を責め記者会見に臨んだ日大選手の勇気と大好きだったアメリカンフットボールをやめざるをえなくなった痛みを受け止めたい。関西学院の選手を攻撃してもしなくても、監督の意志を忖度しなければ「試合に出してもらえないかもしれない」という恐怖と想像できぬ仕打ちが待ってる中で、この青年の苦しみどれほどのことだったか。また、当該選手がされている仕打ちを傍観せざるを得ない選手も被害者ではなだろうか。関西学院の選手の被害を起こしたのはこの恐怖体制ではないだろうか。

大人は、学校は、教育者は、教育政策を担う政治は、今二人を守らなくてはならないと思う。ことに地方議会は率先して全国津々浦々の「体育会」的文化が跋扈する部活やスポーツから彼らのような児童生徒学生を守らないといけないと考える。二人のような若者が、残忍な権力主義から、また政治の世界の志ある者が残酷な権威主義から守られる教育行政、地方政治を私、上田令子は目指すものである。残忍残酷な仕打ちを議員や候補に嬉々としてする政治勢力は必ずや国民都民区民にするのだから。

お姐総括!

長年ブラック部活、暴力的指導者・教員根絶に取り組んできたお姐。大相撲、レスリング、アメフト…そして都民ファーストの経験がすべて重なり、今回の記者会見で憤りと悲しみが沸点に達しました。1964年の東京オリンピックで銅メダルに輝いたものの、ゴール直前で追い抜かれたことやそれまでの過酷な練習がご本人を追い詰めたのか、自殺を遂げてしまった円谷幸吉氏の遺書を思い出されてたまらなかった。

「美味しうございました」の言葉が切ない美しくも悲しい遺書を、ここにご紹介いたします。
父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました。
敏雄兄姉上様 おすし美味しうございました。
勝美兄姉上様 ブドウ酒 リンゴ美味しうございました。
巌兄姉上様 しそめし 南ばんづけ美味しうございました。
喜久造兄姉上様 ブドウ液 養命酒美味しうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。
幸造兄姉上様 往復車に便乗さして戴き有難とうございました。モンゴいか美味しうございました。
正男兄姉上様お気を煩わして大変申し訳ありませんでした。
幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、
良介君、敬久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、
光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、
幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正嗣君、
立派な人になってください。
父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。
何卒 お許し下さい。
気が休まる事なく御苦労、御心配をお掛け致し申し訳ありません。
幸吉は父母上様の側で暮しとうございました。

日大選手が、勇気をもって記者会見をしてくれてありがたかった。
二人の青年が、今後生き生きと人生を進んでもらいたいと心から願っておりますし、政治の場で、シゴキ・イジメ、暴力的行為のない「スポーツを楽しめる」当たり前のスポーツ行政・部活を実現すべく、なしうることを私は行動してまいります。

☆お姐!全体主義は油断すると蔓延る。モサドなみに執拗に闘って自由を守れ!☆

上田令子 プロフィール
東京都議会議員(江戸川区選出)、都議会会派「かがやけTokyo」政調会長、地域政党「自由を守る会」代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

上田令子の世直しプロジェクト
地域政党「自由を守る会」
地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)
Twitter
Facebook