私も危機管理についてはそれなりの見識を有している法律専門家の一人だと自負しているので、大学に危機管理部があると聞くと、ピクリと反応してしまう。
危機管理学部があってもその大学の経営陣が必ずしも危機管理の達人でないことは既に周知の事実だろうが、危機管理のセンスがない組織よりも危機管理のセンスが優れた組織の方が好ましいことは間違いない。
今のところ、日大も加計学園もその危機管理について見るところは少ない。
まあ、日大はアメフト部の前部長に日大の常務理事を辞任させて、第三者委員会を発足させることにしたから、いずれは問題が収束に向かうだろうと推測しているが、一方の加計学園の方はこれから火が点くような気がしてならない。
加計学園はどうやら事務局長に詰め腹を切らせようとしているぞ、と見えるところが実に危うい。
事務局長が証言を変えてしまえば、加計学園側が描いたストーリーが一挙に崩れてしまう。
加計学園の理事長の加計幸太郎氏は加計学園の運命を事務局長一人に委ねてしまったようなものである。
ディフェンスは二重、三重に敷いておくのが危機管理の要諦だと思うが、加計学園のディフェンスは如何にも薄く、かつ脆そうだ。
まあ、策士策に溺れる、というようなことにならなければいいのだが…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年6月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。