下品な男のセクハラトークをバッサリとブロックする方法!

画像は書籍書影(筆者撮影)

ビジネス心理学をご存知だろうか。よく知られているものに、アサーティブ、フレーミング、バーナム効果、コールドリーディングなどがある。心理学は「人問心理を解き明かすもの」だが、知っているだけでは役にたたない。大事な場面で、「使える」という実践的なレベルにまで高めておかないと、中途半端な知識で終わってしまう。

今回は『モテすぎて中毒になる男女の心理学』(すばる舎)を紹介したい。著者は、神岡真司さん、累計140万部を超すビジネス心理学の専門家として知られている。主要著書としては、30万部ベストセラー『ヤバい心理学』(日文新書)がある。

男を見下す「軽蔑トーク」が効果アリ

男性の中には、年齢に関係なくエロ話が大好きな人間がいる。アルコールが入ると、もっぱら下ネタトーク全開で、同席する男性さえ辟易させるほどのツワモノがいる。

「こういう人は、エロトークで笑いをとって座を賑わせていると本人は勘違いしているわけですが、意外に同性からも顰蹙を買っていたりします。男性は、同性からエロトークを振られると、同性同士ゆえに、むげに断れないのです。エロ話を振られた男性が、露骨に嫌がる態度を見せると、『エエカッコしい』の男にされてしまいます。」(神岡さん)

「それを怖れるため、下品な話でも男同士の付き合いならば、ある程度度は惰性で付き合うことが、お約束のような、仁義のようなものにもなっています。もちろん、こうした男たちは知性も教養も高くはありません。高くないからこそ、こんな男同士での猥談に花を咲かせ、絆を結んでいる感じを味わっているのです。」(同)

あなたの職場にはいないか?猥談好きの男性仲間が。妙にウマが合っているから余計に目立つ。しかも、近くに女性がいるのを知った上で、エロ談義で盛り上がっている。女性が恥ずかしがったり、不快な表情になるのを喜んでいるから手に負えない。

「もっと図々しい男性は、すれ違いざまに、平気で女性のヒップにタッチしたり、『今日も、胸の大きい○○ちゃんは、エロかわいいね』などと、セクハラ発言をかましています。こうした状況を撃破するにはどうしたらよいのでしょうか。一発で効き目があるのは、毅然とした態度で『下品な話はやめなさいよ!』と一喝することです。」(神岡さん)

「これで、男性は、この女性の前では怖ろしくて、二度としなくなります。しかし、もう少しソフトにやりたいならば、次のようなセリフも有効です。『男性の格が堕ちますよ』『尊敬できませんね』などと一言告げるのでも効果があります。男性は、女性から見下された一言を発せられると、たちまち理性が覚醒するからなのです。」(同)

セクハラ・エロ上司を蹴散らす話術

葵(あおい)さんは現在25歳の契約社員。今年の4月に契約更新をして2年目にはいった。今日は、セクハラ男性エロ上司のハラオ課長と一緒に営業活動の外回りだ。時間は17時前だが、ハラオ課長の指示で会社には直帰の連絡をする。そして、ムーディーな個室居酒屋に立ち寄った。ハラオ課長に迫られたらどうすればよいのか。

--ここから--
ハラオ課長
「きみも、頑張っていることだし、そろそろ正社員になりたいんじゃないのかね?考え方次第では、正規雇用に切り替えてあげようかなと思ってるんだよねーどうかな?ん」

葵さん
「えっ、本当ですか?それが本当でしたら、すごく嬉しいです!」

ハラオ課長
「そうかい、それなら話が早い。取引成立だ。さ、もっとこっちに寄って来なさい~」

葵さん
「えっ、何ですか?その手を放してください。そんな困ります!」

ハラオ課長
「いいじゃないか。2人だけの秘密を作ろう。これできみも正社員だ。ギブアンドテイクといこうじゃないか?ホラ、いうことをきかないと、派遣も打ち切るぞ、おい!!」
--ここまで--

大ピンチ到来。こんな時には、一体どうしたらよいのか。腕をつかんできた上司の手をバシッと払いのけたいが、なかなかできない。

「こういうべきです。『何するんです。やめてください!!全部録音してるんですよ。奥さんや、社の上層部に訴え出ますよ』と厳然といい放つのです。これで、さすがのエロ上司も、奥さんや役員陣の顔を思い浮かべて理性が覚醒するはずです。セクハラ男性エロ上司といえども、しょせんはサラリーマンです。」(神岡さん)

「上司でも、相手はサラリーマンですから怯えることはありません。ただし、最初から録音スイッチを確実に押しておき、上司から『レコーダーを見せてみろ』といわれても、絶対見せないようにすることです。男性は女性から見下されるのを怖れ、エロ上司は勤め人としての勤務評定に怯えます。これが結論です。」(同)

本書は、男女の関係に特化した心理テクニックが紹介されている。 恋愛、夫婦問題、仕事のベースも、すべては人間関係によるもの。面倒な異性を黙らせ、社内で評価されるには心理学を理解しておくと便利かも知れない。

尾藤克之
コラムニスト