ウクライナのキエフはとっても「歪んだ」街だった

ウクライナのキエフに不動産の視察に行ってきました。初めて行った国ですが、東南アジアの新興国とは異なる魅力に溢れた投資対象国という印象を持ちました。

7月の初旬だというのに、空港に到着した時の気温は13度。気温30度を超えるイスタンブールから半袖で到着したので、余りの寒さに震えました。タクシーで市内に入ると、美しい街並みが現れます。欧州の香りが漂う、パリの下町に来たような印象です。

しかし、物価は東南アジアよりも安いくらい。外国人が行くお店でも日本の半額くらいのイメージです。ホテルの近くにあったイタリアンは、日本なら1000円くらいのグラスワインが400円程度。街角で売っているスターバックスのようなコーヒーも120円くらいでした。

ウクライナの現地通貨フリヴニャ(UAH) は、米ドルに対して10年間で5分の1以下に通貨価値が下落しています。日本円に例えると、1ドル=110円だったのが、500円に下落しているのと同じです。この通貨下落はロシアのクリミア半島への軍事行動が主因です。ただし、キエフに関してはその影響はまったくなく、極めて治安の良い街でした。

キエフの中心部の不動産物件を紹介してもらい、いくつか視察をしましたが、まだ充分な情報が得られないせいか、魅力的な物件には出会えませんでした。恐らく、その手の割安物件は現地のローカルが相対で取引しており、外国人まで情報が入ってこないのだと思われます。

困ったのは、英語の表記がほとんど無く、現地のウクライナ語がまったく読めないことです。また英語の通じ具合は東京と同じくらいのレベルでした。そして、日本からは直行便もなく、現地にいる在留邦人は200名と大使館の方に聞きました。

物価水準が低いのに、清潔で美しい街並みと、レベルの高い食文化があります。写真はランチに入ったローカル料理のお店のデザートですが、メレンゲを使ったセンスの良い盛り付けで、味も抜群でした。これは、東南アジアの新興国とは違う点です。冬の気候は厳しいようですが、少なくとも初夏のキエフは旅行者にとってとても快適な訪問地でした。

わずか数日の滞在でしたが、為替の下落によって、ここには大きな「歪み」があると感じました。投資のオポチュニティーが存在するということです。

さらにもう少し情報収集して、歪みからの収益機会の具体的な方法を考えてみたい。そんな気になるとても魅力的な街でした。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年7月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。